「昼間は女子大生だけど、夜は風俗で働いてる」と、
「風俗で働いてるけど、昼間は大学に通っている」
だと、同じことを言っていても前者と後者とでは
文中の人物から受ける印象は180度ほども違う。
前者は「なんというふしだらな、けしからん」と
怒り出す人がいそうだが、後者になると
「あんたもいろいろあるんだろうけど将来を見据えてるんだねえ、感心感心」
みたいなことになる。ちょっとした叙述のトリックだが、
このように書き手のさじ加減ひとつで、情報というものはいかようにも変質してしまう。
(風俗の是非そのものを問うてるわけではないのであしからず)
トッププレイヤーのアンドレアル討伐動画を見て、
「弱い」と彼らがもらしてたのを鵜呑みにして行ったら負けた、
という日誌を見かけた。確かに、弱いというのは一面の真実だ。
私自身、「備えさえしっかりしてれば雑魚いボス」と書いたが、
冒頭にあげた例にならえば、このような二通りの書き方ができる。
「耐性や対策をしっかりしてれば弱い」
「耐性も対策も行き届いてなければ手強い」
前者はそれこそ雑魚、ザコザコ、うんこっこって感じだけど、
後者は「こりゃ気を引き締めにゃならんな……」となる。
これも言ってることは同じなのだが。
我々に求められるのは、情報にいかなるバイアスが作用してるか
見抜くことであり(送り手の虚栄心、我田引水、勘違いetc)
部分的な字面に惑わされず、自分なりの真実を取り出すことなのだ。
まあ言うは易く、なんだけどね。具体的にどうしたらいいのかって、
私にも明確な答えはない。しいて言えば、感性をフル稼働させて
見るものすべてにダウトを突きつけていくことではないだろうか。
ここで社会人プレイヤーの方に朗報です。
「仕事の合間にドラクエしてる」だと仕事に集中してないような、
不真面目な印象を免れないので、不肖この私、
「ドラクエの合間に仕事してる」と言い換えるメソッドを開発いたしました。
あれ……もっと不真面目に聞こえてしまうのは気のせいかな?