もう私はオフラインゲームはできないんじゃないかと思う。
年齢的にも経済事情からしても、この先ドラクエ以外のゲームに
手を出すことは考えにくいのだが、ドラクエXの
「直接関わり合うことはなくとも、そこかしこに人の気配がある」、
オンラインゲームならではの空気感に慣れきってしまったからだ。
寂しがり屋の一人好き、なんて言葉があるが私はまさにそれである。
基本ソロプレイ寄りで、フレにもチームにもべったりとした
付き合いは求めない。だけど今さら、オフラインゲームは
寒々しすぎて没入できないような気がするのだ。
大規模チームを脱退してからというもの、何軒か体験入隊して
この面倒くさい人間を包容してくれるチームはないものかと探した。
相方勢や固定PTがはびこって、動脈硬化を起こしてるような
チームではいけない。かといって、人数は見てくれだけの、
活気というか熱を帯びたチームでないのも困る。
ようやく「ここなら」という感触のあるチームにたどり着けた。
(いきなり話題を変えて)90年代のイギリスを代表する、
バンドといえばオアシスをおいて他にない。
曲は美メロで良いのだけど、ちょっと耳が肥えてくると
音楽性のイモ臭さとか、演奏の見るべきもののなさとか、
そんなところばかりが気になりだしてしまう。
それでここ数年は遠ざかっていたのだけど、最近はまた一周回って、
「なんだかんだで良いな」と思うようになった。
これが青春に寄り添ってくれた音楽ということなのだろう。
そんなオアシスに「Masterplan」という曲がある。
ギターのノエル・ギャラガーがボーカルも執った曲で、
「人間社会」と訳してる動画もあるし、もっと素直な訳し方をすれば
主(=神)の計画、である。ノアの方舟みたいなものを
思い描いてもいいかもしれない。
チームとは小ぶりな「マスタープラン」だな、と思うことがある。
乗員はそれぞれの思惑、それぞれの青写真を抱いて海路に出る。
しかし漂着した先にあるものは誰一人としてわからない。
それどころか乗員同士でもめたあげく難破してしまう例もある。
私自身、難破船を見限ってきた身だ。それでも我々は、
運命という主が切る舵のままに進んでいくしかない。
正直なところ、ドラクエXのオンラインゲームとしての寿命は
あとせいぜい二年ではないかと思う。それまでに私は、
船の甲板からどれだけの景色を見届けられるのか。
Say it loud and sing it proud today, 「やり遂げた!」
と声も高らかに誇らしく叫べる日はくるのだろうか。
このチームだってずっといられる保証はない。
それでもノエルは唄う、踊りたきゃ踊るがいいさ、
これからの未来なんて知りようもないんだ。
今はただ、マスタープランーー神のみぞ知る未来に向けて、
自分なりのステップを踏むことだけが私にできることだ。