32年前の今日は「ドラゴンクエスト4」の発売日でしたか。
私は高校生だった。3の時より多少は小遣いもあり、
田舎に住んでるとはいえバイクで小回りもきくようになったので、
発売当日に首尾良く買うことができた。そして遊びまくった。
勉強もせず遊びほうけているわけだから、中学で常にトップだった
私の成績はせいぜい中の上、といった位置におさまってしまった。
酒場でキャラメイクする3の仲間にそういうのはなかったが、
4は登場人物それぞれのバックストーリーが精緻に語られたドラクエでもあった。
だからアリーナなどは、今日に至るまで絶大な人気を保っているのだろう。
アリーナといえばクリフトを抜きにして語れない。
私の固定スタメンは、勇者(主人公)、アリーナ、クリフト、マーニャだった。
これには当然の理由がある。クリフトはザラキマシーンと
揶揄されるほどに、一部では「使えない」と評価される。
(個人的な印象ではそこまで多用してる感じでもなかったが)
安定した立ち回りを目指すなら回復役はミネアかもしれない。
しかしクリフトならこう言うはずなのだ、
「姫様が前線で戦っているのに、私がのうのうと馬車で寝ていられるか」と。
作中にそういうセリフがあったわけではない(たぶんないと思う)。
登場人物の声なき声に耳を澄ますこと、心の声を聞くこと。
私にとってクリフトは「感情移入」という域を超えた、
物語の余白に別の物語を読み取るような感性を、あふれんばかりに
拡張してくれるキャラクターだったのだ。
当然のことながら私の中には後日譚もある。
さすがに身分違いすぎて、アリーナとクリフトが結ばれることはないだろう。
アリーナは戦闘などまったく縁のない、どこか他国の箱入り王子と結婚する。
冒険以前と変わらず、クリフトは影となって見守っているだけだ。
しかし冒険を共にした記憶は、世間一般的な愛の形ではなくとも
二人の心をこうこうと照らしてくれる。いろんな愛の形があっていい、
これもクリフトが私に教えてくれたことだ。
同じ理由かはわからないが、しょこたんも私とまったく同じ
スタメンを組んでると聞いた時はうれしかった。
「共感」という言葉は安易すぎてあまり使わないのだけど、
しょこたんの描く物語と、私の物語はどこかで地続きのような気がしたのだ。