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ドラゴンスレイヤー

カルドセクシ

[カルドセクシ]

キャラID
: LN778-267
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: どうぐ使い
レベル
: 130

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カルドセクシの冒険日誌

2022-02-17 23:53:19.0 テーマ:その他

ラダトーム城にて

私の母は、世に言う「毒親」である。私が思春期を迎えてからは、
まるで反りが合わなくなった。反面教師ともいえる。
毒親ムーブ的なことはたいがいやってきてるが、
大方は思い出したくもない過去なのでここでは省く。

とにかく母は何かにつけ「一言多い」性格である。
たとえばテレビでお笑い番組を見ていると、
「騒がしい、くだらない」と吐き捨てる。
音楽番組を見ていると、「この歌手は歌が下手ねえ」
などと毒づく。見たくもないなら見なければいいのに、
わざわざ茶の間の空気を悪くするようなことを言うのである。
「一言多い」性格が、結局は私に受け継がれているという事実は、
なんとも私を暗澹たる気持ちにさせる。

家にファミコンが来てからは、とにかく遊びたい私と
目の敵にしてやらせたくない母の間で冷戦状態になった。
自分の部屋がないので、ファミコンも茶の間のテレビでやるしかない。
すぐ近くでは、母が監視の名目でどっかと座っている。
(一日30分の時間制限を過ぎると頭をはたかれる)

しかめ面で電子音がうるさい、頭が痛くなる、と横槍を入れてくる。
こんな針のムシロのような状況でどうやって楽しめというのか。
私がゲームに関してある種「こじらせてる」部分があるのは、
まったくもってこういう環境で育ったからである。

しかし、ドラクエ1を買ってきてはじめてプレイした日だけは、
すこし様子が違った。勇者が王様に拝謁するラダトーム城は、
バロック調の荘厳な、それでいて胸をかきむしらんばかりに
切ない音楽が流れる。手を止めてしばし聴き入っていた私の背後から、
「これはいい曲だ」という母の声が聞こえたのだ。
ファミコンの電子音が苦手で、いつも文句ばかり言ってた母が、である。

何もかもが折り合わない母と私の間に、たった一点、
共有するものが生まれたのだ。当時の貧弱な制作環境で、
母をもうならせるほど見事な音楽を作り上げたすぎやまこういち先生には、
それだけでも感謝するより他ない。ラダトーム城は勇者が旅立つ場所であり、
母と私が一瞬だけ、心が通いあった場所でもあるのだ。

今では、よっぽどのことがない限り母と会うことはない。
二年ほど前、どうしても外せない用事があって会ったのだが、
年老いて弱々しくなった母を見ると、なんだか自分が情けなくなってしまった。
こんな人に怯えながら私は育ってきたのか、暴君のままでいてくれたほうが
まだ良かった、と。想定外の感情が芽生えてきたのだ。

「あなたのやることなすこと、すべては間違っていた」
と突きつければ、今の母は神妙にうなだれるばかりだろう。
しかし、そうしたところで今さら何が変わるわけでもない。
何の意味もないが、さんざん傷つけられてきた私の気持ちは、
どこへ持っていけばいいのだろう。

近い将来、母はこの世を去る。その時までに私は私なりの、
答えを出せるのだろうか。ラダトーム城から冒険に出たきり、
道に迷い、ずっとさまよい歩いてる勇者のような気分だ。
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