「エンドコンテンツは人間関係を壊す、疎遠にする」
というフレの嘆きのツイートを見かけた。大きなお世話だけど、
そうとわかっていながら漫然と通い続けるのであれば、
大なり小なり、同じことを繰り返すだけなのではないか。
「エンドバトルとはそういうもんである」という
世間一般の価値観に揺らされない、自分なりの価値観を打ち立てないことには——。
ある時期から私は、最前線のバトルからは「降りる」選択をした。
かつて強ボスで一時代を築いた(?)私にとってはつらい選択肢だった。
しかしバトル勢としてトッププレイヤーを気取れないのなら、
「やるからには一番でありたい」性格の私は別の道を歩むしかない。
ゴールドを稼ぎ、数字上の最高峰のステータスを目指す——、
それがこの世界で、私が生きていく拠り所となった。
「エンドコンテンツに違和感を感じたら一も二もなく降りろ」と、
短絡的なことを言いたいわけではない。たとえば恋愛市場では、
一握りのハイスペモテ男に需要が集中するために、
多くの非モテ男は恋愛そのものにすらたどり着けない。
しかし他人から「あなたは恋愛から降りろ、あきらめろ」と
諭されたなら、これは大きなお世話でしかない。
あきらめざるを得ない現実があるとしても、「降りる」選択は長い思慮を経た、
あくまで自発的な意思でなされるべきだ。私もずいぶん葛藤や自問自答があった。
この日誌も、自分なりの価値観や哲学を整理して打ち出していくのに、
大きな役割を担っている。何かいやなことがあっても、
「うるせー、てめーらの価値観で生きてねーんだよ」と、
心の中で中指を突き立てることができる。
もちろんそればかりでもない。今日エテーネの村にいたら、
「日誌を読んでます」と声をかけられてフレになるという、
予期せぬ出会いがあった。とてもシャイな方のようなので
これ以上の詳細は控えるが、この日誌を再開してからまだ2ヶ月ぐらいだというのに、
「日誌勢」として私は浸透しているのだな、という実感があった。
日誌を書くこと自体はたった一人の、どこまでも孤独な作業だけど、
その果てにあるのは孤独ばかりではないぞ、という思いをあらたにしたのだった。