大討伐イベントはすべりこみでノルマ達成されたようだが、そのたびに
「やっていない人間、果てはRMT業者にまで報酬が行き渡るのは不公平だ」
という不満の声が必ず上がる。公平ってなんなんだ?
「手をつないで一斉にゴールしましょう」というゆとり教育の弊害か?
報酬が欲しければ自分で頑張る、他人がどうあろうと関係ない。結果、
規定の討伐数に達しなかったとしてもそれはそれ、というだけのシンプルな
話ではないのか(ちなみにRMTに関しては、モラルを問われるべきは売る側
よりむしろ買う側だと思うが、そういう投稿は不思議と見かけない)。
公平さというのは結局、どこまでも絵に描いた餅、幻想の産物だと思う。
無職で時間があり余っていて、やろうと思えば一日中だってドラクエを
やっていられる人間もいれば(例:私)、リアルマネーにものをいわせ
廃装備を揃える人間がいる一方で、月々の課金千円をひねり出すのが
精一杯という人間もいる(例:私)。そもそも置かれている状況からして
人によって千差万別なのに、誰もが公平なラインに立てるわけないだろう。
不満分子がやたらと噛みついてくるのは、レアアクセ問題だ。
何戦やっても出ない、望んだ合成結果がつかない……。まるで自分だけが、
この世の不幸を一手に引き受けたように語る。しまいにはアカウントや
時間帯によって、確率の操作が行われているという妄言を吐く輩もいる。
(そんなことに何のメリットや必然性があるのかわからない、この世界は、
シンプルにできているところはできているものである)。
公平さがあるとすれば、それは一定の確率によって抽選が行われている、
ということだ。確率の世界である以上、パチンコのようにお座り一発で
大当たりすることもあれば、千、二千ハマリというのも理論上ありえる。
これはオカルトでなく、理論に基づいて職業的にパチンコを打った経験の
ある者であれば身にしみてわかっていることだ。あゝ美しくも残酷な世界。
かくいう私も、悪霊の仮面ではクソハマリにハマらせて頂いて、先日ついに
四ヶ月越しの入手と相成ったわけだが、仮面がないならないなりに、
いかに必殺チャージを発動させやすくするか、いかにMPの残量を保つか、
ということを考えてプレイしてきた(迷宮内で私の他にマホキテを使う
魔戦を見かけたことがない)。悪霊をいち早くゲットした人間を尻目に、
状況を逆手に取って、自分なりにプレイスキルを磨き上げてきたつもりだ。
伝説の博徒、アカギも今際の際に語っていたことだけど、とかく世界は
ままならないから、望んだ通りに事が運ばないから面白いんだよ。
絵に描いた「公平さ」なんかにとらわれず、変に思い詰めたりせず、
このままならなさを楽しめるようになると景色は変わって見える。
違う角度から光が射してくるのではないだろうか。