焼肉屋ぞうもつ亭
やきにくやがにながわと昼休みに
外を散歩をしていたある日の出来事…
にながわ
「ミストルティン!
変わった形をしたアーチだねえ~
これはやきにくやちゃんが作ったの?」
やきにくや
「いや…こいつは業者にこさえてもらったんだ
ちょっと訳ありで無理行ってお願いしたんだよ
そのせいで思ったよりも金がかかっちまったがな…
ま、これくらいあいつのためなら安いもんだ」
にながわ
「スレッショルド?
あいつのため?」
やきにくや
「…
…こいつはな…
かつての俺の相棒の墓なんだ…」
にながわ
「えっ…?」
やきにくや
「俺がまだここに来たばかりの頃だったかな
あの時はまだ店を立ち上げたばかりでな…
右も左もわからない状態で毎日が地獄のようだった…
だがそんな時にいつも俺を励ましてくれたのがこいつだった…
時には甘く時には厳しく
俺が道を外しそうな時は後頭部に痛恨の一撃を出して
噛みついてでも引き止めてくれていた…
当時の俺にとっては最高の相棒だったよ…」
にながわ
「そうなんだ…」
やきにくや
「あぁ…
……
…
こいつが墓の下で眠る事になったのは
…俺のせいだ…
俺が…こいつの人生を奪ってしまったのが原因だ…
これを見るたびに…かつてのバカな自分を思い出しちまうのさ…
毎日墓参りをするたびに…な…」
にながわ
「…」
にながわ
「レストインピース
ねえ、やきにくやちゃん」
やきにくや
「ん…?」
にながわ
「一つ聞きたいんだけど~
今一番大事にしなきゃいけないのは
この子?それとも私達?
スマイルステアー?」
やきにくや
「…え」
にながわ
「ファルファレッロ!
難しい話じゃないよ
やきにくやちゃんなら…もう答えは出ているはずだよ
私達やおりんちゃんを雇ってくれた時にね…」
やきにくや
「にながわ…お前…」
にながわ
「エンドオブワールド!
そろそろ休憩が終わるよ
それじゃ午後もよろしくねっ
やきにくやちゃん!
ハズラムサライヤ~♪」
やきにくや
「…
あぁ、よろしくな」
終わり