やきにくやの冒険日誌

〇月×日

きょうはぺっとの　なむあみだぶつ　に　えさやりをしました

なむあみだぶつ　は　おいしそう　に　おにくを　たべました

とっても　おなかが　すいていたのかなあ

ものすごい　いきおいで　むしゃむしゃ　たべました

のこさず　たべてくれたので　よかった　です
南無阿弥陀仏
「ぼりっ！ごきん！フーフー！」

やきにくや
「相変わらずすげえ勢いで食うなお前は…
　腹減ってるのは分かるがもう少し落ち着いて食えよ…
　誰も邪魔なんてしねえんだからよ…」

この猫(？)の名前は南無阿弥陀仏という
元は捨て猫だったのだが
やきにくやが子猫の頃の彼のつぶらな瞳をみて
我慢できなくなってしまい飼う事にしたのだった

南無阿弥陀仏
「涅槃！涅槃！涅槃！南無成仏！煩悩測菩提ーー！！
　能発一念喜愛心不断煩悩得涅槃ーー！！！」

やきにくや
「…何でこいつ猫のくせにこんなに仏教用語が達者なんだ？
　普通猫だったらニャーだろうが」


教えた訳ではないのだが成長するに伴い
度々仏教用語を口にするようになってきていたのであった
ニャーと鳴いたことは一度もない
やきにくやは今日まで彼を猫だと思っていたのだが
そう認識するのは間違っていたのだろうか
南無阿弥陀仏
「求不得苦…」

やきにくや
「あん？なんだって？」

南無阿弥陀仏
「求不得苦…！」

やきにくや
「ぐふ、とく、く？何言ってんのよお前」

南無阿弥陀仏はこちらを睨むように見つめている…

南無阿弥陀仏
「求不得苦！羯諦！羯諦！！
　波羅羯諦！！波羅僧羯諦ーーー！！！」

やきにくや
「うっ！うおあああーー！？
　なな、何しやがる！やめろ！南無阿弥陀仏ーー！！！」










ぼりっ！ごきん！ぐしゃぐしゃっ！
べきっ！ざしゅっ！
ぐちゃっ！ぐちゃっ！
















―数分後―







やきにくや
「…　…　…」


やきにくやは死んでしまった



南無阿弥陀仏
「南無阿弥陀仏…」







－何だこの終わり方？－