「最近思うんだ。なんで僕は僕なんだろう?って」
両親のいない兄弟二人きりで小さいころから働いて生活している少年グーグーは兄につぶやく。
今はテント暮らしだが、お金を少しずつ貯めて、いつか大きな屋敷に住むことを夢見て一生懸命働いていた。
(これは主人公フシがピオランとタクナハへ向かうちょっと前のお話です。今回フシは登場しませんw)
※これまでのお話とフシという少年の姿の主人公については、僕の日誌「不滅のあなたへ」①~⑦をご参照ください。
兄シンは畑仕事を手伝い、弟グーグーは市場で野菜を売る仕事をしていた。
そんな日、市場で裕福そうな少女を見かける。かわいい・・・グーグーは一目ぼれ。そして、ある日少女が自分の子犬を探しているのに気付いたグーグーは、たまたま近くにいたその子犬を少女に渡してあげた。
少女は当たり前のように少年にお礼にと、自分がはめていた指輪を渡し、「これを売れば野菜売りなんか一生しなくて済むわよ」と言い去ってしまった。
グーグーは指輪より少女と話せたことを喜び、テントに戻るとそこには兄はいなかった。
「俺は運命に抗うことにした」と書置きを残し、今まで2人で貯めてきたお金をすべて持ち逃げしていた。
「嘘つき・・・」
それでも1人で生活を続けるグーグー。
ある日仕事帰りに木材を積んだ荷車に出会う。
その荷車は無理なスピードを出して荷崩れを起こしてしまった。
木材の一つが転がり、その先にはあの少女が花を摘んでいた・・・。
「危ない!よけて!!」
グーグーは叫ぶが、気づかない。
グーグーは走り,ぶつかる寸前で少女を突き飛ばし、自分は木材とともにがけ下に!!
なんと、木材が顔の上に・・・。(いやいやこの大きさじゃ即死じゃ??)
その状態で、崖上で少女を助ける人々の声が聞こえて「ああ、あの子助かったんだ。。よかった」と安心するが、だれもグーグーには気づかず・・・。
そして夜になり、たまたま通りかかった変人で有名な老人に助けられる。
どのくらいたったのだろうか。
グーグーが気付くと、粗末なベッドの上に寝かされていた。
ふらふらと起き上がって、そこにあった鏡をみた。
「!!!目が、鼻が、口が!!・・・これじゃまるで・・・」
ずっと僕以外の誰かのように生きることを夢見ていた。
夢は叶った。
僕は、僕でない「怪物」になってしまった。。
こうしてグーグーは助けてくれた老人、「酒爺」の家で使用人として働くことになった。
そしてその家は、テントから見てずっと住んでみたいと思っていた家だった。
その数か月後、ピオランの知人の家としてフシが到着することになる。
・・・・・つづく。と思う。
キャスト グーグー・・・・ギン・ヨウム
兄・シン・・・・エリアスレイ(自キャラ)
少女(リーン)・キリコさん
撮影 ギン・ヨウム
撮影場所・場面設定案など ギン・ヨウム
キリコさん
ご協力ありがとうございました。