この日誌はバージョン6のストーリーおよびクエスNo.757「疑惑の同居人」のネタバレを含んでいます。 まだの方は読まないでくださいね。
これは平行世界の物語です。
あなたの知っている話とは、ちょっと違うかもしれません。

天聖郷の本棚で、私は奇妙な手記を見つけた。
それによると、この私が実はジャゴヌバに乗っ取られており、天使たちと共に世界を滅ぼそうとしているのだそうだ。
だれかね、こんなものを書いたのは。
まったく、そんなことがあるわけ…
…いや。
ありえないと、言い切れるだろうか?
だって、ナドラガにせよキュロノスにせよ、ジャゴヌバに操られていた人たちは、自覚があったわけじゃない。
嫉妬とか絶望とか、そういう負の感情につけ込まれて、次第に心を支配されていったんだ。
言われてみれば、思い当たることがある。
天聖郷に来てから時々、記憶が飛んでいる。
記憶がない間、私は何をしていたのだろう?

何か、紫色の闇に、心をゆだねていたような気もする…。
「怪物にとどめを刺した者が、その怪物の呪いを受ける」というのは、物語ではよくあるパターン。
私が勝利に酔いしれたあの時、ジャゴヌバは私の中に入り込み、私の心を支配する隙をうかがっていたのか。
最初ここに来た時の、天使たちの冷たい態度。
あれはそもそも私に、天聖郷への不信や憎しみを抱かせるのが目的だったのか?
そう考えると、全てつじつまが合う。
生身の人間が天聖郷に入り込み、やがて機密事項にまで関わるようになる。
ジャゴヌバにとって、これほど都合のいい状況ってあるだろうか?
おそらく陰謀に関わっているのは上層部だけで、下級天使たちは何も知らされていない。
都合の悪い意見をもみ消すのは容易だろう。
たとえば、この手記の主のように。
私は、どうしたらいいのかなあ…
もしナドラガ神が、自分が正しいと思い込まず、周囲の意見に謙虚に耳を傾けていたら。
結果は、ちがっていたのだろうか?
私は、今からでも間に合うだろうか?

アリセル
「ごめんなさい、あの手記を書いたのは、ぼくなんです。」
えっ、そうだったの!?
アリセル
「ぼく、思い込みの激しいところがあって。
自分でも、わかってるんですが。
世界の危機だと思ったら、焦ってしまって…」
なあんだ、そうだったのか!
でも正直に話してくれてありがとう、助かったよ。 かなり真に受けてしまってたから。
でも、そうだよね。そんなこと、あるわけない。
この私が、ジャゴヌバごときに操られているなんてこと。
だって、私は…
だって、私は…
私は、なんだっけ?
… … …
ああ、そうだ。
私は、より高次の存在。
紫色の闇から出でて、全てを統べる者。

まず天聖郷を支配し、ここを足がかりに、地上に我らが帝国を築く。
すべては、ナストルティアのために…
なっす…
なっすっす…
なーすっすっすっすっす!!
あれ?
また記憶がとぎれてる。
私は何をしてたんだっけ?
ああそうだ。
天聖郷の本棚を見て回ってたんだ。
ん?なんか変なことが書いてあるな。
人間は神々によって造られたのではなく、トロルから進化した?
何を言ってるんだか、まったく。
そんなこと、あるわけ…。
…いや。
もしかして…?