蒼天のソウラ世界観ベースの二次創作第3話
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「1^\"ト♪1^\"ト♪」
ごましおがへっぴり腰で水をかけると、ジェリーマンは少し軟化し嬉しそうに揺れた。
まだ本来の大きさや柔らかさとは程遠いが、本調子になられた瞬間牙を剥かれても困るのでこのくらいで様子をみようということになった。
「しかし何故ドルワームにジェリーマンが……」
「*27*4!2→^4☆」
ハクトの疑問にジェリーマンは何かを返しているが、2人にはさっぱりわからない。
「意思疎通は難しいでしょうか…?」
「あ!そうだ!ハイとイイエならわかるかも?」
ごましおは手を叩いてジェリーマンの注意を引く。
「ねぇねぇ、オレの言葉わかる?わかったら1回跳ねて?」
ぽよんとジェリーマンが1回跳ねた。
「おぉ~!ごましお君、凄いですよ!」
ハクトは興奮気味にメモ帳を取り出して情報整理の準備をした。
※
「……ここまでは分かったのだけど……」
ジェリーマンへの聞き取りで分かったのは
・捕まって連れてこられた
・子どもに逢いたい
・洞窟に住んでいた
という事だった。
この3つ目が厄介で、ハクトとごましおの知識や記憶ではメギラザの洞窟とゼドラ洞の違いが説明出来ないのだ。
いつしか2人ともこのジェリーマンを助ける方向に舵を切っており、もう少しで助けられそうな時に暗礁に乗り上げてしまい心を打ちのめされる。
「オレ、メギラザの洞窟しか行った事ない…」
「ぼくは一応ゼドラ洞にも行ったことはありますが…もっとちゃんと観察しておけば良かった……」
このまま街中に置いておくわけにもいかない、こっそり飼うわけにもいかない、ましてや手のひらを返して始末するなんてもってのほか、2人の脳がいよいよ限界を迎えそうになったその時…
「オレ、チムメンさんに聞いてみる!」
ごましおは立ち上がって伝令ドラキーを呼び出そうとした。
「えっ!で、でも魔物絡みですよ?」
自力解決できない無力さで怖気づいてしまったハクトは一旦止めようとする。
「大丈夫!その人はものすご~く頭がいいんだ!ほら、3人いればもんじゃ焼きっていうでしょ?」
揺るぎない信頼と微妙な言い間違いに、強張ったハクトの心がゆるむ。
「それを言うなら文殊の知恵ですね。分かりました。ぼくもツテを当たってみます!」
ハクトは今一度気合を入れるために頬を叩き、伝令ドラキーに託す文を考え始めた。