※この日誌にはドラゴンクエスト3の一部ネタバレとクエスト「大盗賊の伝説」の2話くらいまでのネタバレをほんのり含みます。未クリアでもあまり影響は無いとは思いますが、気になる方はブラウザバックをお願いします。
(続き)
さっそく裏ワザを試すことにしたのはいいけど、いくつか問題があった。
そもそも裏ワザの発生条件がいまひとつあやふやなこと。そしてランシールまで到達していて、尚且つカンダタをスルーしているセーブデータが必要なこと。
普通にプレイしていれば、シャンパーニの塔のイベントをスルーすることはまずあり得ない。もちろん僕らの持ち寄ったカードリッジにも、その様な状態のデータはなかった。
0から進めるという手もあったが、それは絶望的な時間がかかることを意味していた。現在のRTAでは3時間をゆうに切っているけれど、当時の僕らにそんな知識もスキルもなかったし、ロマリアに行くまでで一日が暮れるのは明らかだった。
「とりあえず、ランシールで一人になった状態で外に出れるのか、それを確かめてみよう」
誰が言ったかは覚えていないが、そんな話にまとまった。
ちょうど僕のデータがいざランシール、というところにいたので、そのデータで試すことになった。
ランシールに到着し、神官と話す。
一人になった状態でのルーラは当然使えない。
ああでもない、こうでもないといろいろ試しているうちに、戦闘終了後にパーティが先頭の戦士だけになった。
「あれ?勇者は?他の仲間は?」
ドラクエ3を遊んだ方はご存知であろうけれど、ドラクエ3では勇者は基本的にパーティから外せない。
外すことが出来るようになるのはクリア後のお楽しみであり、冒険途中で勇者がいなくなることは、ホワイトデーでドゥラ院長が優勝するのと同様、あり得ないことである。
通常あり得ないことが起こった、すなわち裏ワザが起きている、という興奮もあったが、それ以上に残りのパーティ、そして勇者がどこに行ったのか心配になった。
バシルーラのことを考えれば、ルイーダの酒場に戻っているのでは?と思い、アリアハンに向かう。
「ここはルイーダの店。旅人たちが仲間をもとめて集まる出会いと別れの酒場よ。どんな仲間がおのぞみかしら?」
消えた僧侶と魔法使いは確かにそこにいた。だがしかし勇者がいない。
ランシールに戻ってみても、勇者はいない。
意味がわからなくなりロマリアのお城の王座に行ってみるも、もちろんそこにも勇者はいない。
「勇者消えちゃったじゃん!!カンダタどころじゃないじゃん!!」
あとは皆さんの想像通り、大ゲンカになってしまった。
「もう絶交だ!一生口きかないからな!」といってその日は別れたものの、ほんの一週間後に仲直りをすることになる。
何故ならばイトペから借りていたファイナルファンタジー2のセーブデータを、誤って僕が上書きしてしまったからだ。
等価交換なセーブデータの破壊により、国交は正常化したのである。
それから件の裏ワザを試すことはついぞ無かったけれど、いまでこそイトペに言いたい。
「ついにカンダタが仲間になるよ」と。
もちろん、パーティに入るというわけではないが、当時の僕らの夢が一つ叶ったと言えるではないだろうか。
おそらくイトペもマッスーもドラクエ10をやってはいないだろう。
同窓会で会うことがあったら、カンダタの話から25年越しの冒険の旅に誘いたいと思っている。