ソルトさんの引退を知ったのは、昼食後にスマホから郵便受けをチェックしたときだった。
正直、最初は信じられなかった。昨日は3.0のストーリーを進めたり、七不思議の写真を撮れたと自慢したりしていたのを見ていたから。
帰宅してログインした後、お招きのつばさが残っていたので使ってみた。そこにはもうソルトさんの家はなかった。ずらりと並んだチョコボ像も、コンプリートしたと自慢していたランタンも、家の前をふらふら歩いていたニードルうさこも。新たな土地の主が、真面目にハウジングしているプレイヤーさんだったのがささやかな慰めだった。
昨夜から今朝にかけて何があったのだろうか?今となっては分からないし、どうでもいいことかもしれない。仮にそこであった問題が劇的に解決しても、もう「ソルト」というキャラクターは戻ってこないのだ。
2ヶ月前にチームに入ってから、彼女にはゲームの中で色々なことを教わった。討伐の買い方も、ピラミッドへの挑戦も、エモノ呼びの活用法も、みんな彼女に引っ張られるようにして学んだことだ。面倒くさがりで諦めやすい私は、彼女がいなければもっと狭い範囲で、退屈そうに遊んでいたかもしれない。
私が感じていた恩義を、彼女に直接返す機会はもう無い。何かできることがあるとすれば、私がかつてそうしてもらったように、後からくる人たちにアストルティアの楽しみ方を教えること。そしてその人達にとって、私が(私から見たソルトさんのように)記憶に残るプレイヤーとなれるよう活動していくことだ。
ここに書いたことを、彼女が見ることも無いのだろう。それでも書いておく。
ありがとうございました。