fun職人、モルニフ。我々取材班は、再度彼の日常を追跡した。
<ナレーション>
1月14日。2014年となり、2週間が経過した。
先日は成人の日。アストルティアも例外ではない。多くの将来を担う成人男性、成人女性が
初々しい姿を見せてくれた。
彩り溢れる輝かしい色に包まれ、場に華を添える新成人たち。
私達の生活を彩る、ドレスアップ。
その原料となる花は、プレイヤー自身の花栽培によって支えられている。
そして、その花栽培を支えているのが、日々の水やりであり、そしてfunである。
新年も明け、私達の生活を支えてくれるあの男は、今どうしているであろう。
我々取材班は再度、プロfun職人モルニフの下を訪れる事とした。
< 第一部:匠の技 >
バドリー岩石地帯の最前線に位置する、小屋。funの加工工場だ。
扉を開く。圧倒的熱量と、funの臭気が鼻を突く。
そこには一人の男が、佇んでいた。
『 静かに!入るのはいいが、今大事なところなのでね! 』
そこには、鬼の形相をしたモルニフの姿があった。マスクで顔は見えないが。
どうやら、funの最終乾燥工程を行っているらしい。無数の炭火で照らされるfun。
彼はそのfunの位置を、慎重に調整している。
素手で。きったねぇ。
彼はこちらに視線を向けずに、こう言う。
『 乾燥の幅にムラがあると、良いfunにならないのでね。 』
『 平均的に熱を与えるよう、常に位置調整をするのさ 』
彼の言うとおり、出来上がりの加工funは、全体的にムラのない焼き目がついている。
加工funからは、加工前から漂う臭気は一切受けられない。
熟練した達人の、匠の技である。
『 ふふふ。驚いたかい。臭気がなくて。 良質のfunは、そーなっているのさ 』
彼はいたずらっぽく微笑む。マスクで顔は見えないが。
そう言うと、彼は一つのfunを手に取り、二つに割る。程よく熱された中身から、
おびただしい臭気が流れ出す。
くせぇ。何すんだこのやろう。
『 見てくれ。外はパリパリ。中はふっくら。最上質の加工funだ 』
わかった。くさいから早くしまってくれ。頼む。
< 第二部:家族を置いて >
『 家族? あぁ。いるさ。妻と、可愛い娘が一人、な。 』
我々の取材に、そう答えるモルニフ。彼は少し愁いを帯びた表情を見せる。マスクで顔は見えないが。
彼は一枚の写真を見せる。そこには美しい女性と、可愛らしい小さな女の子が写っていた。
『 妻のリリィと、娘のユズリだ。可愛いだろ。 』
『 家族を置いて、こんなところに来て仕事をする。俺は罪深いやつなのかもな。 』
『 だがな、俺のfunを待つ人が居るんだ。 このfunが人の笑顔を作る。 』
『 だから俺は。ここでfunを精製し続けるのさ。きっと家族も判ってくれてるだろう 』
誇らしげなモルニフ。我々取材陣はそんな彼に、一通の手紙を渡した。
『 これは…? 』
彼は手紙を開く。それは娘からの手紙であった。我々取材陣は、予めリリィさん、ユズリちゃんからの
新年のメッセージを、受け取っていたのだ。
遠い地で働く父親に贈る、家族からのメッセージだ。
涙なくしては読めないだろう。
『 パパへ。早くそのお仕事やめてください。
皆に馬鹿にされます。お前のとーちゃん unk マンだって。 ユズリ 』
静かに手紙を封筒にしまうモルニフ。マスクに彼の涙がしみこんでいくのが判る。
よほどショックだったのであろう…
『 な。家族も俺の仕事を誇りに思ってくれてるだろう (ゝω・)キラリン☆ 』
やっぱわかってねーな、こいつ。
手紙をしまうと、モルニフはおもむろに立ち上がった。
その双眸には、一つの決意が宿っているのが判る。
『 …娘と妻に。何か贈り物をしなくてはな。 』
~ To be continued ~
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