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エンターテイナー

メイア

[メイア]

キャラID
: TQ241-843
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 僧侶
レベル
: 130

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メイアの冒険日誌

2014-06-28 05:52:34.0 2014-06-28 05:54:59.0テーマ:フレンド

儚い糸 ~後編~

   さようなら。 また会おうね。 きっとまた会えるよね。
                                  
               




<再会>






                  ♪チリン チリーン






突然鳴った、ログイン通知。

とある平日休みの日。
チムメンが誰もいない中、のんびりチムクエを消化中のあたし。
インしているフレも少なく、少しマッタリとした時間が経過していた中での、ログイン通知。

彼女でした。






             『 おかえりなさい!帰って来たの!?うれしい!! 』






チャットで打ち込む間。言葉が本当に漏れそうになりました。
心から出てきた、一言。

彼女のアイコンを見た瞬間。
あの時に共に歩んでくれた。一緒に怒って、一緒に泣いてくれた記憶が。鮮やかに蘇ります。

恥ずかしかったのでしょうか。
少しの沈黙の後。彼女はこう返してくれます。






                『 家出娘が、一旦服取りに帰ってきただけ 』



                   『 的な感じでもどってきました^^; 』






あははw

いつもの彼女らしい返しに、心が躍ります。
久しぶりのやり取りの感じに、溢れだす喜び。

再会の感動に、胸が震えます。









<交流>




                     " ねぇ、元気だった? "






それから一時間ほどでしょうか。いつもの雑談。
チムチャで、とりとめのない会話が続きます。

再会したからといって。特別な事はない会話。
あぁ…何気ないこんなやり取りが、幸せなことだったんだ。

儚い糸が、また繋がった今。
その何気ない時間がどれだけ幸せなものであったのか。改めて実感します。






けど。その糸は儚い糸。また切れて飛んでいく糸。






私達を繋ぐのは、儚い糸。









<別れ>


そして、お別れの時間が来ました。
リアル世界の用事でログアウトしなければいけないあたし。






                    『 そろそろ落ちるね 』



                     「 またです^^ノシ 」






彼女は、今まで通りのトーン。いつもの半角文字の顔文字。
何故かその顔文字を見て、もう会えないんじゃないか…そんな想いが心をよぎります。

この儚い糸は、もう繋がらないんじゃ…
そんな漠然とした、不安。

あたしは、つい。この一言を付け加えます。












                 『 …キャラクター消しちゃダメだからね 』












…やだな。良い大人が。依存症なの? 重たいね。ゲームなのに、バカみたい。
自己嫌悪の感情が心を蝕みます。

少しの間をおいて。彼女が口を開きます。
そこには、先程までの明るかった彼女のトーンはありませんでした。












                       「消しませんよ」












          「 このキャラクターは、メイさんと私の、唯一の繋がりなんですから 」












                       「消しませんよ」















<優しい糸>






                      ” ありがとう… ”






彼女にそう告げて。あたしはログアウトしました。
次にインした時は、もう彼女の姿はありません。



私達を繋ぐ、儚い糸。



細くて弱い、儚い糸。



出会いが紡いでくれた、奇跡の糸。



すぐ切れちゃう、儚い糸。



けどまた繋がる、優しい糸。



たかがゲームの関係。されど大切な人間関係。



とても愛おしい、儚くて、優しい糸。












さようなら。 また会おうね。 きっとまた会えるよね。












気がつくと、曇り空から、ジリジリとした日が射していました。
もうすぐ夏。私達にとって、出会ってから2回目の夏。

あたしの旅路は。まだまだ続きます。



~Fin~


※ また、会おうね。
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