『 世にも奇妙な物語 』 風味
これは、私のフレの話。二人の男女のお話。
二人の名前は、たけし君(仮称)と、まゆちゃん(仮称)。
ひょんな事から出会った二人は意気投合し、フレになり。いつも一緒にいる仲の良さ。
そんな二人はやがて、チームを立ち上げるに至ります。
二人だけのチーム。それはまるで、同棲のような二人だけの空間。
二人が恋に落ちるのに、そう時間はかかりませんでした。
「ねぇ、たけし君、今度はいつログインする?^^」
甘え上手なまゆちゃんは、いつもベタベタ。たけし君は社会人。まゆちゃんは専業主婦さん。
たけし君は出来るだけインすることを約束しますが、平日昼は仕事で無理と告げます。
「えー、まゆ寂しい…;;」
たけし君は出来る限りインして、まゆちゃんとの時間を作ります。
「ねぇ、もっとまゆと一緒にいてほしいなぁ;;」
「ねぇ、昨日一緒にPT組んでたの誰なのー?;;」
「ねぇ、まゆ寂しい;;」
二人だけのチーム。チムチャでまゆちゃんはたけし君にどんどん言い寄ります。
「ねぇ^^」
「ねぇ^^」
少しずつですが。たけし君は違和感を感じ始めます。
「ねぇ、昨日は何してたの?;;」
「ねぇ、何でインしてくれないの?;;」
少しずつ。歯車が軋み始めます。
とある平日の昼。
忙しい日々を送っていたたけし君は、久しぶりに休みを取ることが出来ました。
でも久しぶりのイン。たけし君は少し週課を消化したいそう思って、ログイン通知「しない」でインします。
チームチャットに、まゆちゃんの姿は見えませんでした。どこかほっとするたけし君。
魔物使いになって週討伐を済ませ。家に帰って職人をして。久しぶりの一人ののんびりとした時間を過ごします。
ですが、暫く週課をしていると。
♪チリンチリーン
「まゆが ログインしました」
無機質に流れるシステムメッセージ。たけしくんは息を呑みます。でも、ログイン表示してないし…大丈夫だろ…
たけし君は自分に言い聞かせるように、職人作業を続けます。
ですが。チムチャにまゆちゃんが、こう呟きました。
「ねぇ、いるんでしょ?^^」
えっ!?
たけしくんは息を呑みます。
ば、バレてないはず…家で固まってしまうたけし君。
♪ピンポーン 「まゆ が遊びに来ました」
「ねぇ^^」
「ねぇ、いるんでしょ^^」
「ねぇ、出てきてよ^^」
「ねぇ ねぇ ねぇ ねぇ ねぇ ねぇ^^」
「 ね ぇ ! ! ! ! 」
たけし君はWiiUのコンセントを抜いたそうです。
その後、BLにまゆちゃんを入れて、逃げるようにたけしくんが引っ越したのは、言うまでもありません…
人の愛というものは、怖いものですね。
さて、この不思議なお話。一部脚色はありますが、大筋は実話。
では実話だとしたら、何故まゆちゃんはたけし君がインしたことに気がつけたのでしょう。
答えは簡単。広場を見ていれば、現在の職に表示が変わりますので。転職するとバレてしまうのです
ただ、「平日ログイン出来ない」と言っていた、たけしくん。
来ないはずの彼の広場を、平日昼に見続けていた、まゆちゃん。
広場の再読み込みを行いながら、毎日ずっと、ずっと。
一番怖いのは人とは、よく言ったものです。
~Fin~
※ねぇ