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ビギナーズラック

ジュセ

[ジュセ]

キャラID
: XZ412-052
種 族
: プクリポ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 124

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ジュセの冒険日誌

2015-11-10 16:30:49.0 2015-11-11 22:36:32.0テーマ:その他

【ジュセの日記】 9/9 遺言

マダラキさんが死んだ。



私は久しぶりにアズランの町へとやって来た。
買い出しを終えた後、討伐隊に最後の挨拶をするために詰所へと向かった。
だが、いつもそこにあるはずの顔が無かった。

――実はさ、俺。そろそろこの仕事を引退しようかなと思ってるんだよ。

もう、討伐隊には居ないのだろうか。
気になった私は、新顔の討伐隊員にマダラキさんの所在を尋ねた。
しかし返ってきたのは、衝撃的な内容だった。

――幸せなんてのは、ちょっと欲をかくと一瞬で消えちまう…脆いものだからな。
――守る奴が居なくなったわけじゃねぇ。他人からは偏屈婆でも、俺にとっちゃ大事な母親がまだいるんだ。

運命の神というのは、ささやかな希望に対しても容赦はしないらしい。
マダラキさんは任務中に、不慮の死を遂げたのだそうだ。
その他にも、本来居ないはずの凶悪な魔物にやられたとか、仲間を庇ったとか、最期の状況を色々と聞いた気がする。
しかし放心状態の私の耳ではよく聞き取れず、はっきりと覚えていない。
気が付けば私は詰所を飛び出し、あの小さな書店へと向かっていた。



「…この老いぼれより先に逝っちまうなんてね。」
位牌の前でうなだれるお母さんは、いつにも増して小さく見えた。
「ナギに貰った命を粗末にするなんて。罰当たりなバカ息子だよ。」
ナギ。確か、マダラキさんの昔の彼女の名前だったか。
彼女もまた任務中に命を落としていた。マダラキさんを庇って。
「まったく、残された親の気持ちを考えてみてほしかったね。」
お母さんは吐き捨てるように言った。
「…考えてました。」
つい、口が開いてしまう。
お母さんは怪訝そうに私を見つめた。
「私、聞いたんです。近いうちに仕事をやめて、お店を継ぐって。お母さんと暮らしたいって。」
私は続ける。
「ナギ…さんの死をしっかり受け止めて、生きようとされていました。残された方々を大事にしようとされていました。」
「……。」
お母さんは私の言葉を、黙って聞いていた。
「その中でも…お母さん。お母さんは特別だったんだと思います。」
「………。」
お母さんは再び位牌に向き直ると、少しの硬直の後、静かに泣き崩れた。
「わたしだって、くらしたかったさ……。」
私はそれ以上何も言えず、その場をそっと後にした。



帰りの馬車の中、私は物思いに耽っていた。
子を亡くすという事は、どれほど辛いものなのだろうか。
私には子供が居ないから、親の気持ちを正確に理解することは出来ない。
しかし、傍観する立場でこれだけ辛いのだから、それはもう、想像を絶するものなのだろうという事は分かる。
私は死んでしまう事の重みを改めて認識した。
だがもし、生前の気持ちを知ることが出来たら?
残された者の痛みは、少しでも和らぐのだろうか。
「…日記。」
元々は私自身を慰め、励ますため書いてきたこの日記。
ここにきて意味合いが大きく変わる事になるかもしれない。



「マダラキさん、私は……。」
私は馬車から顔を出し、夕焼け空を見上げた。
そして静かに祈りをささげた。
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