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ジュセ

[ジュセ]

キャラID
: XZ412-052
種 族
: プクリポ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 124

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ジュセの冒険日誌

2015-11-28 19:29:46.0 2015-12-07 12:28:25.0テーマ:その他

【母の手記】 6.支える側

不安に苛まれながら、ずっと待っていたシュピさんの目覚め。
シュピさんは体を起こし、目をぱちくりさせ、不思議そうに、手を握っていたジュセを見つめました。
思った以上に元気そうな様子を見たとき、また幸せな日々が戻ってくるのだと感じました。

……きみ、だれー?

しかし希望は、その一言で打ち砕かれたのでした。



シュピさんは魔瘴に脳を侵され、事件以前の記憶を失っていました。
自分の名前も、故郷も、これまでの生活も、ジュセの名前も。
何度も質問しましたが、全て覚えていませんでした。
さらに、言動や態度が以前とは打って変わって、幼くなっていました。
姿こそ変わりませんが、とても、あのしっかりとしたシュピさんだとは思えない程でした。
それだけでも混乱して耐えられないのに、ジュセは医者に、さらに残酷な事実を突き付けられます。
一命は取り留めましたが、これまでの事例から、今後症状が悪化する可能性が極めて高いという事。
段々と理性が無くなっていき、いずれ魔物と化してしまうかもしれないという事。
その時はジュセをはじめ、周りの者を襲い、殺すかもしれないという事。
そして、現時点で治療法は確立されていないという事。


ジュセは再び、絶望の淵に落とされました。

 もう、シュピは戻ってこないのか。
 幸せだったのに。これからどうしたらいいんだろう。
 いや、記憶を失っていてもまだ生きている。また1から頑張ればいい。
 …だめだ。頑張ってもいずれシュピは…。

様々な思いが、頭の中でぐるぐると回っていました。
そんな、ベッドの横でしかめっ面をするジュセに向かって、シュピさんは無邪気に色々と話しかけました。
初めのうちは気力がなくて、適当に相槌を打つだけでした。

 ジュセ…だっけー。
 私はどこも悪くないから、大丈夫だよー。
 そんな難しい顔してたら、ダメだよー。ジュセが病気になっちゃうよー。
 へんてこな顔してるんだからー、笑ったほうがもっと面白いよー。
 ねー、へんてこジュセちゃんー。

誰がへんてこだ。
ある時、あまりのしつこさに、ジュセはつい、言葉に乗ってしまいました。
怒ったジュセを見て、シュピさんは吹き出し、笑いました。

 あはは…やっとちゃんと返事してくれたー。怒った顔も、面白いねー。

久しぶりに感情を露わにしたジュセ。
その反動で何かのつっかえが取れたのか、可笑しさがこみ上げてきました。
ジュセはシュピさんと一緒に、思いきり笑いました。
ひとしきり笑った後、シュピさんは言いました。

 うんー。ジュセはやっぱり笑顔が一番だよー!




ジュセは気が付きました。
今感じている心の安らぎは、紛れもなくシュピさんによるものであると。
たとえダメだったとしても、安らぎを与えてくれたシュピさんを、身を捧げてでも守ってあげる義務があると。
この時からジュセは、支えられる側から、支える側となったのでした。
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