ステータスを1ポイントでも上げたい。
ダメージや確率を0.1%でも上げたい。
ドラクエ10では顕著だけれど、
他のゲームでも良くある話で、
それがやり込みであり、楽しみの1つであったりします。
しかし、それって本当に楽しいことでしょうか?
例えば、ファイアーエムブレムやタクティクスオウガ。
シミュレーションRPGだけれど、
普通のRPGよりもステータスの数値が重要です。
そんなゲームにもかかわらず、
ステータスの数値を上げられるアイテム、
ドラクエでいうタネがいくらでも手に入り、
ステータスをMAXにできてしまいます。
さて、その状態でゲームをするとしましょう。
最初は圧倒的な強さを見て楽しく思えます。
でも、次第に虚しくもなっていき、簡単に飽きてきます。
「ふとTVゲームのRPGを思い出してしまった……
オレはね レベルを最高に上げてから
敵のボスキャラに戦いを挑むんだ
敵のHPは10000くらいかな
オレは全然ダメージを受けない
しかしオレの攻撃も敵の防御力が高くて
100くらいずつしかHPを減らせないんだ
妙な快感を覚える反面ひどく虚しくなる
今丁度そんな気分だ 苦しめてすまなかったな」
これは漫画「幽遊白書」のキャラクター、仙水忍のセリフで、
まさにこれなのです。
作者の冨樫義博さんはドラクエプレイヤーでもありました。
究極、こうなってしまうわけで、
じゃあ、プレイをしていて何が本当に楽しいのかと言ったら、
やり込まず自然に育てたステータス、
もしくはやり込んで逆にどこまでステータスを削ぎ落とせるか、
その状態で挑戦することだと思うのです。
それでクリアしてこそ達成感も生まれましょう。
最強のキャラクターを使って自分がプレイするにしても、
他人がプレイするのを見せられるにしても、
「そりゃそこまで強くすればねぇ(笑)」と、
何の自慢にもならないどころか、
逆に「そこまでしないと勝てないの?(笑)」と、
むしろゲームプレイとしては恥ずかしいものになると思います。
ゲームの内容に踏み込むと、
やり込まず自然に育てたステータスで詰まるゲームがあったら、
それはそのゲームのバランスが悪いということなのです。
そして、最低限のステータスでクリアできた時に、
本当の攻略法が見え、クリエイターの才能に感動するのです。
皆さんはドラクエ10をプレイするにあたって、
つまらないことにこだわっていませんか?
ハイエンドバトルコンテンツのボスに挑戦するなら耐性を揃える、
職人で大成功を狙いたいなら道具は☆3を使う、
こだわるにしても、せいぜいこのくらいだと思います。
膨大なプレイ時間の土台があるにもかかわらず、その点は無視し、
レベルカンスト、金策、完璧なアクセ作り、日課週課など、
それらをするのが当たり前と思っている麻痺した感覚で、
都合が悪いことは見て見ぬ振り、または気づかない、
そんな異常な常識にとらわれた廃人脳のプレイヤーではなく、
他のゲームと変わらない価値観を持ったゲーマーでいましょう。