ねこの冒険日誌

ドラクエ10をプレイするに当たって、
私はとても苦手としているものがあります。

それは時間です。

ゲームで効率を求める遊びをするというのは、
ひとつの楽しみです。
攻略サイトなどを見て誰かの真似をする、
そんな人が殆どだと思うけれど、
自分で見つけ、それが嵌った時は、
まさにゲームを攻略した気分になるし、
誰かの真似であっても、
良い方法を見つけたと満足感に浸れることでしょう。

私は他のゲームでもこれを楽しみにしているけれど、
ドラクエ10の場合、これが少し違うのです。

ドラクエ10には色々と時間が付いて回ります。

元気玉、料理、香水、魔因細胞のおまじないの効果時間。
月額課金や修練の心得の日数など。

そして、無意識にこう思います。

「この限られた時間の中でどう効率良く遊ぼうか」

月額課金の日数でそこまで思う人は稀だろうけれど、
それ以外のことは皆さんも思うのではないでしょうか？

そこまではまだ良いとしましょう。

問題は、無意識でも、いや、無意識だからこそ、
ここから厄介なことが生じることです。

これはその人の性格にも依ると思うけれど、
私の場合、気持ちに余裕がなくなります。
同じ三十分、同じ一時間でも、
時間の進み方がとても速く感じるようになります。
その時間が過ぎた後、
ゲームを遊んで楽しかったという気持ちはまるでなく、
時間を効率良く使えたことに対するほんの僅かな満足感、
あるのはそれと、
ドラクエ10は大型アップデートごとに、
何かしらの緩和が行われるのが常なので、
私が今したことも無意味なものになるのかしら？
という虚しさです。

正直、私は、
ドラクエ10をチームやフレンドの人と一緒に楽しんでいる、
そんな人がとても羨ましいです。
私もWiiβ版の時に出会った人達とフレンドになり、
一年目くらいはそのように心から楽しんでいたけれど、
日替わり討伐が実装され、
メギストリスのサーバー1で一時間以上もの大行列に並んで、
フォレスドンだの何だのの高額の依頼を買う、
短時間で沢山のゴールドを得たい、
そのためにしているというのに、
一時間以上もかかる大行列には並ぶという、
そんな愚か極まりないことをし、
結果、一緒に遊ぶことよりも金策ありきと皆がなり、
何もかもが崩壊しました。

これも時間なのです。
時間に支配され、追われているが故の行動でした。

皆さんはこんな経験はないでしょうか？

ドラクエ10がつまらなく思えたり、飽きたり、
ネガティブなものでなくても、
他のゲームをしたい、他のことをしたい、
そう思ってドラクエ10から離れても、
ドラクエ10のことが脳裏にちらつく、
それでまた戻ってきて、やっぱり何も変わらないと思いつつ、
気持ちはどこか落ち着くという、そんな経験。

はっきり言うと、これは依存症です。
すぐにでも治すべき大きな問題でしょう。

しかし、それだけではなく、
時間の支配というものがあると私は思うのです。

他のゲームの三十分には、
たかが三十分でもそこには濃密な体験があります。
けれど、ドラクエ10の三十分には、
レベル上げなら元気玉ひとつ分の希薄な体験しかなく、
そこにゲームの面白さはあるはずもなく、
あるのはキャラクターの僅かな成長を見届けることだけ、
更にはそれを何十何百回も要求されます。
ながらプレイはその現実逃避に過ぎず、
何の解決にもなりません。

その三十分を、
「他のゲームならもっと楽しめる」と思うか、
「ドラクエ10ならレベルが1も上がる」と思うか、
健全なのは前者であることは言うまでもないけれど、
ドラクエ10を遊んでいると後者になってしまうのが、
本当に恐ろしいところで、
他のゲームを遊んでいる時の三十分が耐えられなくなる、
というところまで最悪なってしまうこともあります。

これは心持ちひとつの問題でしょうか？

長時間インするプレイヤーを基準にしているかのように、
どのコンテンツも時間のかかるものばかりになっています。
そうなれば、時間配分を考える必要が出てきます。
短時間で済むのならできるだけ短時間で済ませたい、
ベテランプレイヤーであろうとライトプレイヤーであろうと、
そのような思考に自然となり、
否が応でも効率を求めるプレイをさせられるという、
ゲーム側のそういった問題も多分にあると私は思います。

ドラクエ10の時間の支配からは、
詰まるところ逃れることはできないのでしょう。

道具欄にしこたま入っている元気玉。
ひとつ三十分、使えばその数だけプレイ時間になる、
ゲームとして全く楽しくないその時間。
それが待っているかと思うと、
昔はひとつ貰えるだけで有難かったそのアイテムも、
今では重荷で、見るだけで憂鬱になるのでありました。