Chapter-1 『僕にその手を汚せというのか』
大型アップデート6.5後期で、
カジノのスロットとポーカーをプレイ中に、
同じテーブルに参加しているプレイヤーを確認できるという、
そんな改修が行われました。
同じテーブルの参加者が多い状態でプレイをしたいのに、
プレイ中だと誰がいるのか分からない、
プレイを終えて見てみたら誰もいなかった、
ということが起こらないための仕様で、
カジノはバージョン2から始まったコンテンツなのに、
長い年月を経てようやく改善がなされました。
しかし、やっぱり同時に弊害が生じることにもなりました。
カジノレイドを発生させたプレイヤーは、
「よろしくお願いします。」とチャットをすることが多いです。
皆で協力をして挑戦をするのだから、
この挨拶は礼儀を重んじる人なら当然することでしょう。
また、改修前はこれで他のプレイヤーを確認していました。
さて、挨拶なしでも事前に他のプレイヤーがいると分かったら、
一体何が起こるでしょう?
皆さんご存知の通り、
ドラクエ10というゲームはひたすら同じ操作の繰り返し、
何も考えずに決まったボタンを押すだけ、
そんなプレイを強いられることがとても多いです。
パニガルムでは放置プレイヤーをよく目にするようだけれど、
そんなゲームなら当然でしょう。
つまらない、もう飽きたからやりたくない、
でも、参加をすれば得をすることがあるのなら、
やらないというわけにもいかず、
その抵抗として放置プレイになるのです。
それがカジノのスロットとポーカーでも可能になりました。
強制的に離席をさせられる五分以内までは放置プレイをし、
「よろしくお願いします。」とチャットが出て、
発言者を確認、それが同じテーブルにいるプレイヤーなら、
そのカジノレイドに参加をする、
という他人任せのプレイができるようになったのです。
勿論、参加をするだけで、カジノレイドも放置プレイです。
「うわあ……。サイテー……。
そんなの ズルっこじゃん。」
サイテーだろうがズルっこだろうが、
「人間生まれた時からすぅ~~べて遊びだわ!!」
Chapter-2 『誰も僕を責めることはできない』
自ら対策をできることは、チャットを一切しないことです。
せっかくのオンラインゲームなのに、
チャットをしないことが正解だなんて寂しい限りだけれど、
カジノレイドはプレイをしないことには発生しないので、
他のプレイヤーに放置プレイをさせないために、
カジノレイドを発生させたことを敢えて教えないという、
意地悪プレイがゲームとして重要になってきます。
また、放置プレイを生みやすい原因として、
報酬の問題もあります。
限定交換品は限定なのに他のところでも入手ができるものばかり、
だったらレイド討伐報酬のプレゼントチケットだけを狙おう、
けれど、真面目に決定ボタンを押すだけの作業をしても、
同じ種類のレイドモンスターが出てきて苛つくばかり、
だったらストレスを少しでも軽減するために楽をしよう、
幸いカジノコインを増やす必要は全くないのだから、
やることは待つだけ、放置プレイこそゲームとして正解、
思い通りに行かないルートなんて進みたくないから。
Chapter-3 『欺き欺かれて』
「そのコンテンツに人が集まらなくなったのでイベントにしよう」
しかたないね。
「イベントに人を集めるために報酬を魅力的なものにしよう」
それがいいね。
「長くプレイしてもらうための仕様にしよう」
う……うん……ヒマつぶしにはちょうどいいね。
「運の要素を入れて時間稼ぎをしよう」
うん?
「更に報酬の必要コイン枚数を多くしてもっと時間稼ぎをしよう」
え……?
「ゲームの内容は全く変えずにそのまま使い回そう」
もう飽きるほど遊んだから!
ドラクエ10のイベントはどれもいつもこれです。
人口が少なくなったからイベントにして人を一か所に集める、
その考えは良いのに、良いというか当たり前の話だけれど、
その後が救いきれないことばかりなのです。
長く遊ばせたいのなら、
繰り返し遊んでも飽きにくい仕様を考えなければいけないのに、
飽きにくいということは考えず、
既に遊んだことがある人が多いと分かっているはずなのに、
飽きている人が多いということも考えず、
ただ運の要素で誤魔化したり、ただ作業量を増やしたり、
ゲームの内容は全く変えないという、努力の姿勢すら見せない、
それでプレイヤーを駆り立てられると思っているのでしょうか?
プレイヤーを犬か豚とでも思っているのでしょうか?
Chapter-4 『手をとりあって』
真面目になるべきなのは、まずは開発運営の皆さんの方で、
プレイヤーはその後だと私は思います。