「風来のシレン6」がとても好評のようですね。
個人的には、グラフィック、音楽、やり込ませ要素、
この辺りが好みではないけれど、
長く低迷していたシリーズということもあって、
ファンも鼻息を荒くして絶賛しています。
阪神タイガースのアレみたいなものですね。
♪昭和生まれ 不思ダン育ち 実況してる奴は大体大阪弁
しかし、このシリーズを全く遊んだことのない人には、
レベル1に戻るという仕様が不評のようで、
そこは面白い現象だと思いました。
RPGと言えば、日本ではドラクエが標準ですからね。
やり直しをさせられているような気持ちになる、
そう思ってしまうのも無理はありません。
自分自身の知識がレベルの代わりなので、
攻略のセオリーを知り尽くしている経験者を見たら、
最初から差をつけられているようで、
それも面白くないのではないでしょうか?
気になるのは開発側がこれをどう受け止めるかですね。
もしも次回作があるのなら、
今度は全く遊んだことのない人にも楽しんでもらいたい、
そんな考えが芽生えてもおかしくはありません。
それは「風来のシレン3」で一度通った道で、
レベル1に戻るという仕様も見直されたのだけれど、
新たなファン獲得は失敗し、
既存のファンも離れる原因となってしまいました。
つくづくゲーム開発は難しいものです。
開発側からすれば、
・評価されるゲームを作りたい
・売れるゲームを作りたい
・ユーザーの不満の声が少ないゲームを作りたい
この3つが大きな柱としてあるように思います。
ユーザー側からすれば、
・神ゲーと呼ばれるゲームを遊びたい
・初見でクリアできるゲームを遊びたい
・プレイ時間が長いゲームを遊びたい
この3つが大きな柱としてあるように思います。
それがうまく嚙み合えば、お互い幸せになれるけれど、
それが叶わなければ地獄で、
開発側はまるで犯罪者かのような悪者にされ、
ユーザー側はその会社や開発者に対する文句だけでなく、
ユーザー同士で喧嘩まで始めます。
汚い言葉が飛び交い、その光景たるや悍ましく、
人間の醜さをまざまざと見せられることになります。
ドラクエ10が面白いと思うのは、
そんなユーザーに対して、
開発側が逆襲をしているように見えるところです。
ドラクエ10のユーザーもやはり文句が多く、
ユーザー同士で喧嘩をするのは日常茶飯事、
汚い言葉も毎日飛び交っています。
ただ、他のゲームのユーザーと大きく違うのは、
どんなに酷い内容になろうとも決して辞めない、
そういったユーザーが一定数存在することです。
単純に依存症になっていたり、
何年も遊んできたデータが惜しかったり、
理由は色々あるでしょう。
開発側から見ればこれは逆襲をするチャンスです。
事実、前ディレクターの齋藤力さんは、
ユーザーと向き合い過ぎて疲労困憊していました。
命の危険を感じるほど窶れていきながらも仕事を続け、
最後は限界を感じ、身を引くことになりました。
そんな人間を目の前で見たらどう思うでしょうか?
許せないと思うのが人間ではないでしょうか?
逆襲、いや、復讐をする理由は充分にあるのです。
お金も時間もかけて育成をしたのに弱体化するなんて酷い、
開発側も倒せていないボスを実装するなんて無茶苦茶だ、
新しいバージョンになっても改修やレベル上げ、
クエストをこなさないと解放されない要素の話ばかりで、
新鮮味なんて全くないし、
いつまで声優推しのストーリーをメインにしているんだ、
そんなユーザーの相変わらずの不満の声が沢山あるけれど、
これは意図的と思った方が私は腑に落ちるのです。
勿論、これは私の勝手な想像です。
本当に真面目にゲームを作っているかもしれないし、
私の想像通りかもしれません
しかし、後者であったとしても、
それが明るみに出ることはないでしょう。
言う必要はありません。
「誰がこんなもの遊ぶんだ? 犬にでも遊ばせるのか?」
「Exactly(そのとおりでございます)」
この開発側とユーザー側の関係、
ドラクエ10はそれも含めてゲームで、
第三者的に遊ぶのが正しい付き合い方のように思います。
私は犬にはなりたくないですね。
ねこだもの。