承前。
## 2. アストルティアの抱える問題
さて、上に挙げた2つのケースについて、これらがどのような経験や知識の欠落、もしくは不足によって引き起こされるものであるかは、想像に難くない。
防衛軍において大ボスを殴り始めたらそれをやめないプレイヤーに足りていない知識・経験は;
- そもそも(少なくともかつては)防衛軍は、基本的には討伐ではなく防衛を目指すものであったこと
- 防衛だけを狙う場合、大ボスへの攻撃はほとんど不要であること
ザコ、鐘、中ボスを処理することは防御的な行動で、大ボスを殴ることは攻撃的な行動であること
- オートマッチングでは、討伐を狙って挑んだとしても、大ボスのHPを削り切れないことが予想される場合は防御的に動くほうがよいこと
あたりであろう。
また、ガルドドン戦において壁を外れてまでMPパサーを使うプレイヤーに足りていないものは;
- 相撲システムを利用した戦闘の基本的な経験
に尽きると思われる。
これら戦闘上の知識・経験・テクニックについて、現在、DQXのゲーム内で学ぶ機会は極端に少ない。
それどころか、ゲーム内のコンテンツとしてはもはやそのような機会はほぼ提供されておらず、他のプレイヤーから教わるしかない状況にあると筆者は考える。
ここで、他のプレイヤーから教わるというのは、パーティを組んで戦う中で教わることも含むし、ブログや攻略サイトで調べることも含む。
つまり、自らの体験をもとに自分で気づく機会はほとんどないということである。
重要な部分を強調して繰り返すが、
- バトルコンテンツの重要な知識やテクニックを学ぶ機会が
- もはやゲーム内のコンテンツとしてはほぼ提供されておらず
- 従ってプレイヤー自身の体験から自分で気付く機会はほとんどなく
- 身に付けるには他のプレイヤーから教わるしかない
のである。
失敗を繰り返すうちに「なぜかうまくいかない」というような違和感を覚えることはあるかもしれないが、
現状のDQXにおいてはそれすらも感じにくくなっているし、感じたとしても自力で改善にまで至ることは、ほとんどのプレイヤーには不可能であるように思う。
続く。