承前。
## 4. 「ライト勢」を「ガチ勢」へ
一般的な用法に合致するかどうかは分からないが、ここでは、あるコンテンツ(あるいはコンテンツ群)について、
そこで必要となる基礎的な知識や技術を持っていないプレイヤーをライト勢、持っていてある程度習熟しているプレイヤーをガチ勢と呼ぶことにする。
あるコンテンツのライト勢がそのコンテンツのガチ勢へと変化することは、
本人(の少なくともDQXプレイ体験)、他のプレイヤー(の少なくともDQXプレイ体験)、運営の全てにとって良いことである。
- 本人にとっては、その変化によって「なぜかうまくいかない」「何が悪いのか分からない」ことが減って、だんだんうまくこなせるようになる。良いことである。
- 他のプレイヤーにとっては、ライト勢とパーティを組むよりガチ勢とパーティを組むほうが楽で、良いことである。
- 運営にとっては、プレイヤーの満足度が上がり、プレイヤーの参加するコンテンツも増えて、プレイヤーの自然減をある程度食い止められることになる。良いことである。
ただし、もちろんメリットばかりではなく、懸念もある。
- 例えば本人にとって、
- 自分で試行錯誤して攻略するのが楽しみなのに、親切すぎる導入があったのでは、ただの作業のようになってしまうとか(そうはならないと思うが)
- そもそも戦闘系コンテンツに興味がないとか(そういう人にとっても損にはならないと思うが)
- 他のプレイヤーにとって、
- ライト勢と組んで優越感を味わったり、文句を言って気分を晴らすのが趣味だったのにそれが難しくなるとか(そういうプレイヤーには退場いただくほうが良いと思うが)
- 運営にとっては、
- そう簡単に上達してクリアされてはコンテンツの寿命が短くなってしまうとか(そうはならないと思うが)
パッと思いつくものに限っても、このようにそれぞれの立場で文句を付けようと思えば付けられる。
その他、懸念どころか明確なデメリットも、おそらくあるだろう。
しかし筆者は、各コンテンツ(群)においてライト勢がガチ勢へと変化していくこと、その割合が増えることは、総合的にはすべての関係者にとってプラスに働くと予想する。
従って、運営は各コンテンツにおいて、プレイヤーのライト勢からガチ勢への変化を積極的に促す策を講じる必要がある、と筆者は考える。
さらにその方式としては、ゲーム内コンテンツによってプレイヤーに学習させる以外の選択は無いだろう。
ゲーム外コンテンツでは、それが公式(冒険者の広場など)か非公式(攻略サイト、ブログ、YouTubeなど)かにかかわらず、ただコンテンツに参加するだけにとどまらない積極的な興味を持たない限りはアクセスされないからである。
いま求められているライト勢からガチ勢への変化量は、その程度で対応できるものでは決してない。
前章の内容を繰り返すが、ここでいう変化は、各コンテンツの初期には、プレイヤーがそのコンテンツを楽しんでいるだけで自然に起こるものだった。
それが自然には起こらなくなっている今、もはや意図して起こすしかないのである。
続く。