お月見といえば、月見団子が欠かせません。「中秋の名月」にちなみ、お団子を満月のような丸い形にしてお供えします。数は、十五夜ということもあり15個用意し、ピラミッド状に重ねていきます。頂上部分に置かれた一番上の団子は、霊界との懸け橋になると考えられていたそうです。
・ススキなどの秋の七草
ススキも、「中秋の名月」にはマストなお供えものですね。昔は農作物を収穫できたことに感謝し、芋や豆などもお供えしていましたが、稲はまだ収穫前だったことから、稲と似たススキを飾るようになったといわれています。また、ススキには魔除けの意味もあり、災いから家族や農作物を守るために飾られていた習慣が、現代にも残っているのです。現代では「お月見といえば、お団子とススキ」というイメージが定着していますが、実は「中秋の名月」には、ススキをはじめ、「秋の七草」を飾るのがいいとされています。萩に尾花(おばな=ススキの穂)、撫子(なでしこ)、葛(くず)、女郎花(おみなえし)、桔梗(ききょう)、藤袴(ふじばかま)。これが「秋の七草」です。
・里芋など芋類
「お月見」でお団子を供えるようになったのは、中国で月餅を供える習慣が日本に伝わり、月見団子となったとされています。また、農家では稲の豊作を祈願するだけでなく、芋類の収穫祭としても「お月見」が行われていました。これは昔の主食が米ではなく、里芋などの芋類が食べられていた頃の名残。人々は団子と共に収穫したばかりの芋を供えたため、「中秋の名月」は別名「芋名月」といわれています。
出典:PRECISIOS.jp