フィンクの冒険日誌

こちらは後編なので、
前編を、まだ読んでいないという人は、
そちらから読んで欲しい。


なお、前後編を通して、
Ｖ４～５までの、ストーリーとクエストに関する、



重大なネタバレが、含まれている。












前編のおさらいから、見ていこう。


まず、時渡りの術を、
より具体的な概念として、
プレイヤー達に理解させる。


そして、実際に、その時渡りの術を、
熟練のレベルで使いこなす、稀有な存在を、
主人公の目の届かない場所へ配置する。


これで、準備は調った。


この２つの条件が満たされた時、
黄金のパラディンは誕生し、
ズーボーの石化の呪いは解かれたのだ。



しかし、本題はここからだ！


ズーボーの石化の呪いを解く為に、

今度は、黄金のパラディン自身が、
時渡りの呪いにかかってしまったからだ！



では、黄金のパラディンに、
時渡りの術を施したのが、パドレだったと、
ひとまず、仮定してみた上で、論を進めてみたい。


パドレが取り残された、
時獄の迷宮（だったかな？）は、
外の世界に比べて、
非常にゆっくりとしか時間が進まない。


つまり、外の世界では、
何百年、何千年と経っていたとしても、

パドレにとって、それは、
ほんの数日や数週間にしか過ぎないのだ。


もちろん、どんなに時間があろうとも、
時渡りの能力を持たない者には、
内外からの干渉は不可能である。


だが、例えば、
時の妖精が、何かしらの理由で復活したとか、

ストーリーテラーでさえあれば、

そういう設定や理由をこねくり回す事など、
いとも容易に出来てしまうのである。


とはいえ、どんな出来事が起こったのか、
それは、ここでは置いておいて、

パドレが時獄の迷宮を抜け出た時、

それが、ちょうど黄金のパラディンとなる、
彼女の成長した時代だったのかもしれない。


そこで、ニ人は出会い、

彼女は、時渡りをする事によって、
黄金のパラディンとなったのだ！



さて、プレイヤー達の間では、
父、パドレの救出と、再登場を望む声は多い。


だから、Ｖ５の間、
ただの一度も触れられず、
がっかりしているという声も多いだろう。


しかし、ズーボーの時のように、

ストーリーテラーは、
決して、忘れているわけでも、
見捨てたわけでもないと思うのだ。


今は、ただ、
必要な条件が揃っていない、
それだけだと思うのだ。
では、パドレの再登場に、
必要な条件とは何なのか？


それを考察してみよう。



黄金のパラディンに時渡りの術を施したのが、
パドレだったという仮説が正しかった場合、

黄金のパラディンを、このまま放置して、
パドレだけが救われるという事は、
非常に考えづらい！


これは、Ｖ４の最後の場面でも、
同じ事が言えるのだが、

せっかく、物語を盛り上げる為の材料を、
あちこちに調えたにも関わらず、

それらを放棄して、
小さな幸せしか描こうとしないのは、
そもそも、ストーリーテラーではないからだ！


敢えて、紆余曲折を歩ませ、
その結果として、より多くを掴み取り、
大きな幸せを、いかに描ききるか？


それが、ストーリーテラーの、
腕の見せ所ではないだろうか？


だとすれば、パドレが救われる為には、
黄金のパラディンこそ救われなければならない！


つまり、黄金のパラディンにかかってしまった、
時渡りの呪いを解く為の材料が、
今は、まだ登場していないから、

パドレの再登場も、まだなのではないか？


そんな風には、考えられないだろうか。



「呪い」というのは、
生命に干渉してくる圧力の事だ。


主人公の兄弟（姉妹）キャラは、
闇の根源との契約を結ぶ事によって、

その圧力の中身を、上書き更新した。


そして、その上で、その契約を跳ね除けた。


だが、黄金のパラディンに、同じ手は使えない！


一体、どんな手を使って来るのか？


もし、僕の、この妄想が、

わずかばかりでも、的を射ていたとしたら、

今から、期待で胸が高まり、楽しみでならない。




あとがき


パドレを救出してくれという意見は、
しばしば色んな所で見かけたけれど、

黄金のパラディンにかかってしまった、
時渡りの呪いを解いてくれという意見は、

全くもって、見かける事はなかった。


実は、僕は、ずっと、
それが疑問で仕方がなかった。


まるで、誰も、この重大な事実に、
気が付いていないように、感じたからだ。


「えっ？」

「ねぇ、ほら、よく見て？」

「黄金のパラディンってさ、
　時渡りの呪いにかかってるよね？」


そんな風に、問いかけてみたかった。


それが、今回の日誌を書く動機となったのだ！