ギーリの冒険日誌

　グレーでいいんです。
　きぬローブ上とだんさーぱんつ下を組み合わせて、グレー染色させてくれればそれでいい。
　それで、このアズラン階段とかグレン階段とかジュレット階段を駆け上りたい。
　やりとげたら、えいどりあーんとか両手を上げたい。

　だんさーぱんつさん、なんであなたは染色不可なの……


※　大木を叩いて早朝からトレーニングです

　しょうがないから試合用のトランクス着用してトレーニングですよ。
　身体冷えちゃうじゃないですかー。だめだなー。
　トランクスが長すぎるって？　やだなー、陸奥九十九がこれより長いトランクス穿いてヘビー級のリングに上がってたじゃないですかー。

　かくとうの通常攻撃って左手主体なんですね。会心の時だけ右ストレート。
　おまえはあれか。ふだん左ジャブだけでモンスター倒しとるつもりなのか。
　どう考えてもその左ジャブは腰が入ってて連打できとらんけど。

　BGMはあれです。ロッキーのあれです。
　男の子は生まれ落ちてから一度は「拳一つで世界を切り拓いていく」妄想をするもんなんです。
　それにしても人間男の背中はあれだな。頼りないな。


※　パンチングボールで残影拳すんなつってんだろ

　もう右ストレート（ばーんなっこー）に繋ぐ気まんまんですよ。蹴り足強いから土埃立ってんの。
　震脚かよ。中国拳法かよ。そっちのコスはセット装備でありふれてるからお呼びじゃないんだよ。
　数字が獲れないの。わかる？　なまっちょろい坊やがスポ根でオトコになる姿を大衆はお待ちなんだよー。

　中国拳法だとそのまま仙人になっちゃいそうだ。ちゃんと市民として社会に回帰していく姿を描くロッキーを、もっと評価するべきだと私は思います。


※　大自然でトレーニングしてると野生の獣に襲われたりもします。

　人、それを野獣という……！
　野獣の目を取り戻すんですよ！　あいおぶざたいがーですよ！
　はじめの一歩で鷹村さんも熊の眉間をこんな風にカマしてましたね！
　イイヨイイヨー、これはオジサンたちからのウケがいいはずだー。

　自分より小さいただの獲物に猛反撃を受けて、野獣も戸惑ってテンションダウンしております。
　ここから掬い上げるようにあっぱーかっとですよ！　床に落ちた十円玉を拾うように！　こら、本当に拾うな！


※　空も白む頃に、トレーニングは終わります

　野獣は今日も人知れず牙を研ぎ澄まし、何食わぬ顔で社会生活に戻っていくのです。
　スポットライトを逃げ場なく敷き詰められたリングの上に帰還るまで、身体をぎっちり絞り抜き、それ以上に窮屈に肩をすぼめて、その時を待ちます。



　そう、できれば闘技場オープンの頃に、あの装備が欲しいですよね。
　バスローブっぽい丈の長い着流しの上装備。袖はあるけど通さず。腕組みして仁王立ちして、挑戦者を待つ、ああいうのに似合う上装備が。
　当然、オーガ男さん以上に似合う奴なんていないでしょうけどね！