王子(そもそもクエスト依頼はとっくに終わってるのに、出て行かないよこのひと)
王子(しかも心なしか僕の腰をじっと見つめてるような)
王子(不自然にならないように、そっと目をそらして気づかないふりをしよう)
王子(1時間経っても微動だにしないぞ、おい……)
王子(離席マークが出ないってことは、一応何かしら操作してはいるんだよな)
王子(き、きっと必要なアイテムやスキルや要員がそろっているかを確認してるんだな。そうでなければ、チームメンバーとかとテレパシーでやりとりでもしてるのか)
王子(そうそう、きっとそうだ)
王子(僕は王となる身だ。この程度のガンつけになんて屈したりしない!(キリッ )
王子(もう陽が落ちたぞ……どういうことなの)
王子(セーリア、なんとか助け舟出してくれよ)
王子(いや、目を輝かせてオッケーサイン出されても。そのなんだ。困る)
王子(母上、母上! なんていうか危険が危ないので助けてください)
王子(いや、玉座に座ったままウェディ女子の「よろこぶ」とか芸が広いな、おい! そうじゃなくて! 王になるための試練!? そ、そうなの!? なら、なんでそんなにほっぺたが紅潮してるの!? 母上、よだれ! よだれ!)
私(チャンピオンと挑戦者の対峙って感じでスクショ撮れないカナア)
私(いいベルトだよな。上半身裸にマント姿というのもいい。王者の風格がある。実際に王者になるひとだから当たり前だけど)
私(トランクスじゃないのが悔やまれるなあ。まあいいや。腰から下はフレームに入れなきゃそれっぽくなるだろ)
私(こっち見てくんないかな、王子、試合前にもうちょいガン飛ばし合う感じの画が欲しいな)
私(近寄ろうとすると、なんか後ずさりしそうな気配なんだよな)
私「あの、王子」
王子(ホッ)「な、なにか」
私「ちょっと近寄っていいですか。お互いの息が当たるくらいの距離で」
一同「!?」
私「あと、私と目を合わせていただけると、助かるんですが」
王子「えええええ!?」
セーリア・女王「キマシタワー!!!」
メルー公「そろそろ帰っておうどんたべたい」