私「白ではないでしょうか」
フ「白ですか」
私「さよう。白です」
フ「……願望を入れておられませんか」
私「否定はしません。いいでしょう。私は白であることを望んでいる。いけませんか」
フ「まさか」
私「私は、人を、人間を、信じたい。真実無垢なのは赤ん坊くらいのものかも知れない。それでも――」
フ「――最初から白でないと決め付けることはしたくない?」
私「笑ってくださってかまいませんよ。哀れな男、青さの抜けない若造の幻想だと」
フ「――いえ。あなたの答を聞いて、私も、少しだけ昔を思い出しましたよ。実のところ、私も白ではないかと思ってはいたのです」
私「なんと」
フ「そう。なんと呼べばいいのでしょうね。この齢になると、"わかる"んですよ。匂いのような何かからね」
私「そう……そうですか……」
フ「精進なさい、若人よ。――さて」
私「では、確かめなくてはなりませんね」
フ「できますか」
私「本人に直接問いたださなきゃ始まりませんからね。辛い仕事ではありますが、こうしなきゃ終われませんから」
フ「わかりました。……ご武運を」
私「――はい!」
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レ「……白かどうかを確認したい?」
私「はい(真顔)」
レ「何故そこで這い蹲って覗き込むように言う必要が?」
私「お願いします! お願いします! お願いします! 確認させてくださいお願いします!」
レ「ヒくわー」
私「あああああ! その触れることもおぞましいと言わんばかりの冷たい視線! ありがとうございます! ありがとうございます!」
レ「ぱんつに幻想を抱きすぎだろ」
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私「……」
レ「……」
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私「えっ?」
レ「えっ?」
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私「……あの、容疑者として白なのか黒なのかをお伺いしたく」
レ「えっ?」
私「……」
レ「えっ?」
私「……さすがにご依頼主相手にマジックミラー越しに容疑者扱い、面と向かってお前が犯人かって聞くわけですから……そりゃあ雇われとしては土下座の一つくらいは、そりゃあその……」
レ「……」
私「……」
レ「……(ぷるぷる」
私「……どうした。涙拭けよ」
レ「……ちょっと待てよ! 何で私が憐れまれる役回りになってんだよ! ねーよ! ノーカン! テイク2! やりなおしを要求するー!」