ギーリの冒険日誌

　このおかたをどなたとこころえるっ。
　こちらにおわすかたこそ、おそれおおくも先の副将軍にしてソビエト連邦共産党政府シベリア抑留所一日名誉栄養士副主任補佐、前アズランあばれこまいぬちゃんなでなで委員会三等書記、および愛媛りんごジュース＆香川蕎麦コラボ商品開発委員会予算責任者連帯保証人のボブ・鉄平・ランスロット様にあらせられるぞー。
　頭がたかあぁい。
　ひかえひかえい。
　ひかえおろーう。



ミシュアさん「ちょっと待てや」




　ヘイ兄貴ー。ぞんじあげておりますともー。
（心得顔で頷いてから、平伏している下々に向かって）
　……おうおめーら、全員エンコ（小指）切り飛ばす準備だー。
　あとそれから年頃の娘は恒例のとおりみんな兄貴が手籠めになさると仰せなので、整理券を持って並べー。

ミ「言ってねえし」

　おうおう、来年の種もみもさっさと出さないかあー。兄貴はおなかが空いたと仰せだぞーう。
　パンがなければ羊羹を食えばいいじゃない（マリー）って兄貴の言葉を知らないのかあー。

ミ「あのセリフはそもそもマリー自身の発言だったか疑わしいとされている上に、正確にはケーキというよりもお菓子と訳すべきじゃないか」

　やだ兄貴、博識。
　おし、兄貴のお墨付きを得たぞー。お前らは餓えたら菓子を食えばいいんだあー。おら、全部の種もみを持ってこんかあー。

ミ「ああああああああああ（頭を抱える）」




　オラー、兄貴の髪が金色になってんだろうがー。
　これが完全に逆立ったらスーパーサイヤ人になって、お前らみんな死ぬぞー。
　急げー。年貢を出せー。娘を差し出した上で菓子を食ってワイン飲めーえ。
　兄貴がパワーアップしたあとだと血も涙もないいやがらせを受けるぞー。
　具体的には燃えないごみを燃えるごみの日に出して、袋にお前らの名前が書かれることになるぞー。どうだー、いやだろーお。

ミ「うっわちっさ」

　聴いたかお前らー。
　これは序の口で、本番はもっとひどいことをすると仰せだぞー。

ミ「」