第五章
スタジオ背景を制する者はスタジオを制す
■組む、重ねる、ちょい出しで広がる背景の世界
前回に引き続きスタジオの要となる背景の話です。
第四章では背景で使える家具やレイアウトに
ついて触れました。
今回は少し複雑な背景組みにチャレンジ
してみましょう!
いきなり応用編!?と思われるかも知れませんが
壁を横に並べる位は言われなくても出来る皆さん
だと思ってます!
こちらは、チームフラッグ、ダマスク柄の壁、
ハートの本棚、ハートカウンタ、
ウェディングバルーンを使用した壁です。
このように、ただ壁を横一線に並べるだけでなく、
垂直にしたり、重ねたり、家具を後ろからちょい出しすることで、個性的な壁を作り出すことが出来ます。
無課金でもアイディア次第で色々な背景が作れます!
こちらの写真は、スタジオHにある
セットですが、様々な花モチーフを
ちょい出しさせています。
どんな家具を使用しているか、
是非、現場でしらべてみて下さいね!
スタジオH ジャングル未開 13597-1
(またも唐突な宣伝)
ちなみに一カ所だけ色が付いている花、
こちらは妖精の花冠を装備させた
きせかえドールです。
装備はキャラクターと同様ポイントカラーでも
色が付きますので、このようにカラー表示されます。
引き出しの取っ手や、テーブルクロス、
ベッドの装飾など、あらゆる家具の一部分に
ちょい出しして使えるポイントがあります。
カタログ機能を使うと家具の様々な側面を
見ることが出来ますので、活用してみて下さい。
その際、スクリーンやかきわりをあらかじめ
部屋に置いてちょい出しすると雰囲気が掴めます。
大きい壁、便利な壁シリーズなどはちょい出し
しようとした瞬間、視点が壁の裏に回って
しまうので、検証には向きません。
ご注意下さい。
■背景の色を変えてみる
ここでは背景(壁)の色を変えるテクニックを
少しだけ紹介します。
残りは「映え」の章で触れますので、もう少々
お待ち下さい。
まずはこちらの蚊帳つきフトン。
オレンジと紫がありますが、どちらも撮影時
このように淡い色に変色させる事ができます。
アスコンなどでも使用されている有名な
テクニックですね。
もう1つ紹介しましょう。
こちらは、ダークフィルターで撮影した
ダマスク柄の壁です。
一部分だけ青白くなり模様もハッキリと
見えますね。
これは、大きい四角い水槽を3つ以上
同じ場所に置き、その内側にダマスク柄の壁を
置いたセットになります。
照明より弱い光ですが水槽も発光しています。
それを3枚以上重ねる事で、より強い光となり
このような現象が起きます。
水槽は形によって光の強さが違います。
水槽重ねテクニックは、部屋の明るさや、
壁、各種フィルターでも雰囲気が
変わりますので、色々と試してみると
面白いかも知れません。
ここでは壁の色を変えるテクニックとして
水槽を使いましたが、水槽の中にすっぽりと
家具を入れるテクニックもあります。
古くはアルシバ先生が書かれた
「とある酒場のハウジング」にも
鏡の中の世界として紹介されていますね。
また先日のハウコンで金賞を受賞した
ティルテュさんも水槽を使って
窓からの風景を作り出す達人です。
ハウジングは孤独です。
製作過程では孤独に悩み抜きます。
しかし現代のハウジングは、
先人達の知恵の上に成り立っており、
そして互いに刺激を受けながら、
その知恵を更に発展させ次世代へ紡いでく。
孤独だけど繋がりを感じる。
ハウジングをしていると常々そう
感じることがあります。
さあ、最後に、種明かしです!
第三章で紹介したダマスク調のスタジオ、
実はこちらも、ちょい出し&水槽テクニックを
使用して作られたセットでした。
ベラストル家の暖炉の装飾部分を横に並べ
奥に大きい四角い水槽を3つ、
パピヨン仕切りを水槽の内側と外側に配置して
編み目に濃淡を付けました。
全体的に黒を多用していますが、奥を発光させる
事によりメリハリがついたのではないでしょうか。
という事で、ここまでお読み頂いた方は、
既に第三章で紹介したダマスク柄のスタジオを
作れてしまう事になります!
ハウジングは「場数」も重要です。
きっと皆さんなら私以上のスタジオを
作れるようになるでしょう。
(既に作れている人も多々いらっしゃいますが)
次は
【第六章】家具を置いてみよう!
今までのおさらいと、家具を置く際の
コツについて話をします。
【参考文献】
水槽を活用したハウジング
・・・アルシバさん、ティルテュさん
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