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福の神

カワサキ

[カワサキ]

キャラID
: AX045-126
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 魔法使い
レベル
: 127

ライブカメラ画像

2D動画 静止画
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カワサキの冒険日誌

2022-11-05 15:16:58.0 テーマ:その他

キミヲワル 【※夜中閲覧注意※】

着いた・・・のか?

私は手に持っていたスマホの画面を
再びのぞき込んだ。
Googleマップが示す目的地は
ここから目と鼻の先にある。

間違いない。

あとほんの少しで、アレを拝むことができる。
この数日間、寝ても覚めても頭から離れなかった
アレを、ついに・・・


1週間前

私は、SNSで、とある写真に目が釘付けになった。

無数に横たわる、焦げた肉の塊。
一体どれほど長い時間焼かれ続けていたのだろう
その肉塊の頂点に、堂々と君臨するキミ
艶やかなその姿は、あまりにも美しく妖艶だ。

視線を上に移すと、その写真には
簡単な、言葉が添えられていた。

「キミ ヲワル」

美しさと儚さの同居した
しかしそれを快感と思えるような
複雑な背徳感と、深い欲望が
体の奥から湧き上がるのを感じた。

あれから1週間、
私の日常は、常にその写真と共にあった。

しかしそれも今日で終了だ。
いかなる罪を背負おうとも、
私は歩み出したこの足を止めるわけにはいかない。


そうこうしているうちに、
気がつけば目的の場所へ辿り着いていた。

「ジュレラーメン 海」

あごだし・貝だし・豚骨だしが絶妙な比率で
織りなすアッサリ×コッテリの超極旨スープと
客の9割が注文すると言われる焼豚丼が名物の
口コミ件数2万超え、評価4.8のモンスター店だ。

まだ開店5時間前だというのに、
店の前には既に2名の先客がいた。
さすがモンスター店!
否が応でも期待が高まる。

ツールでポチポチと遊んでいたら
5時間はあっという間に過ぎていった。

店の扉が勢いよく開き、
中からエルフの女性が顔を覗かせる。
そして両手に持った暖簾を掲げると、一言。

「お待たせしました。
前の方から順番にどうぞー」

後方より、わあ!という歓声が
一斉に湧き起こる。
振り返ると既に最後尾が見えないほど、
行列は伸びていた。
さすがモンスター店!
開店と同時に閉店するという噂は
どうやら本当らしい。

前の二人に続いて店に通された私は
窓際の広い席に案内された。
店内にカウンター席は無く、
相席もしないスタンスらしい。
何という贅沢。

ほどなくして満席になると、
1人のドワーフの男性が注文を取りに来た。

私はシミュレーションしすぎて
もはや暗記してしまった単語を
ドワーフの手元を確認しながら
順に繰り出した。

生ビール中ジョッキと
餃子1枚、
えーと・・・おつまみチャーシュー、
それと、
ジュレ海スペシャルラーメンセットに
焼豚丼を付けて下さい。

『はい、かしこまりました』

そう言って男性が裏に行くと、
すぐに片手にビールと小鉢を
持って戻ってきた。

『お待たせしました』

そう言って差し出されたのは、
キンキンに冷えたジョッキに
ビールと泡が7:3の黄金比率、
見た目満点の中生だった。

きめの細かい泡を流し込むと、
奥から苦みが表れ、
すぐに炭酸の刺激と共にかき消される。
そして最後に旨味が余韻として残る。

サーバーの手入れが行き届いた
正真正銘の旨いビールだ。

小鉢は2つ。
注文したおつまみチャーシューと
お通しの漬物だ。

まずは漬物を口に放り込む。
カボリ!ボリボリボリ・・・
歯ごたえを残しつつも、
しっかりと漬け込まれた
みずみずしいキュウリだ。
梅と生姜の風味がアクセントになっている。
これ、自宅でもマネしたいなぁ

続いておつまみチャーシュー
シャキシャキのネギが絡まり、
豆板醤と胡麻油の香りが堪らない一品。
ピリ辛。まさにおつまみ。
漬物とチャーシューで延々と酒が飲める。

『餃子でーす』

餃子がきた。
今のところ、順番も完璧。

まずは何も付けずにいただく。
見るからに熱そうだ・・・

ザクッ!!ジュワ~~~~

うおっ!?!?
中から想像の5倍くらいの肉汁が
あふれ出す。
危うくラーメン屋で溺れるところだった。

パリッパリの皮にジューシーな挽き肉
歯ごたえを残した白菜、ニラ、にんにく
一瞬香ったのはオイスターソースだろうか
だとしたら、かなり上質なオイソーだ。

この店は、とことん貝と豚の扱いが
上手いらしい。

『焼豚丼で~す
黄身を割ってお召し上がり下さいね』

き・・・キターーーーーー!!!
唐突に主役登場。
夢にまで見た、この風景。

炭火でじっくりと焼かれた豚バラ肉は
カリカリに仕上がっており、焦げまで
良い匂いが漂う。

そしてその頂きに乗せられた、
ぽってりとした卵の黄身。
この、黄身を箸で割る。
しかしなかなか割れない。
ものすごい弾力だ。

もう一度、
キミヲワル!!

突き刺した箸から、
とろ~りと、卵の黄身が
流れ出してきた。

・・・みたいな話を、
昨日、孤独のグルメを見ながら考えました。

私は元気です。
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