「あんなやつ・・・あんなやつ・・・!」
誰の声だろう・・・
顔を見てみると、男のようだ。
虚ろな目をしている。
ー朝ー
ああ・・変な夢をみた。
あの男は誰だったんだろう?
不可解な夢を見たせいか、いつもより起きるのがつらかった。
誰かがネガティブな言葉を発している夢なんて見たくなかった・・・
準備を終えると、学校へ酷い気分で行く。いつものことだ。
すけ「おはよ!」
「・・・・」
話しかけないでって言ったよね?
すけ「今日は誰もいないよ!」
「・・え?」
周りをみると、確かにすけくんと私以外誰もいなかった。
私の反応を待たずに、すけくんはペラペラと話し始めた。
すけ「今日さ、君が夢に出てきたんだ。」
・・・・・・・・・・
「は?」
すけ「まあまあ、そんなに嫌がらないで。ぼく友達いないし坂井さんとしかそんなに話さないからさ、印象に残ってるのかも~」
「・・ふうん。」
こんなに澄ましていながらも、内心とても焦っていた。
ちょっと待って。
私の夢に出てきたのは・・・すけくん?
声が同じだ。
すけ「それにさ、坂井さん『こんな毎日つまらない。』って言ってて・・・もしかしたらだけど毎日つまらないの?」
背中を冷や汗が伝う。
なんでこんなに当たっているの?私が毎日つまらないと思っていることは確かだ。
・・でも。なんで分かった?
それに夢にでてきた男もすけくんとよく似ていた。
気色が悪い。
「・・気持ち悪い」
すけ「あ、ごめん・・でも、何か悩んでるんだったら言ってね?ぼくも・・・・・」
「なに?」
すけ「ううん、気にしなくていいよ。あ、あいつら来ちゃった。またね」
すけくんはそそくさと席に戻ると、教室に入ってきたクラスメートに笑顔で話しかけていた。
だが誰からも反応されていない。
でも、さっきの『ぼくも・・・・』は何だろう。何かを言いかけていた。
考えても答えが見つからないモヤモヤを与えないで欲しい。
ただでさえ暗い毎日なのに。
もっと曇って、光なんか分厚い雲に隠れてしまうじゃないか。
ああ、気分が悪い。
ふらふらしながら家に帰ると、吐き気がしてきた。
朝のすけくんといい、本当に気持ち悪い。
「うっ・・・」
本気で気持ち悪くなってきたので、ベッドで少し休むことにした。
そのまま眠りに落ちて・・・・・堕ちていった。
???「ああ!もう!!!なんで私ってこうなの!!!」
また誰かの声が聞こえる・・・。
泣き叫んでいるようだ。大丈夫だろうか?
???「う、うう・・・ぐすん」
「ど、ど、どうしたんですか・・・?」
思い切って話しかけてみた。こんな夢は二度目なので少し慣れていた。
???「うわああああああん!!!」
でも、反応はしてくれない。
聞こえていない・・・?
???「誰か・・・助けて」