この前は、加藤さんの豪邸で勉強を教えた。
ケーキもとても美味しくて、すごく楽しかった。
加藤さんって、以外といい人だなあ。
ついに今日は期末テスト一日目。
加藤さんにはポイントを大体教えたけど、どうだろう・・・全般分かっていなかったからなあ・・・
後は、本人の努力次第だ。
そして今日は、すけくんが来た。
傷跡が痛々しかったけど、痛みはないみたい。
そうだ、あの手紙のことを・・!
「ねえ、この紙・・・」
私はすけくんに謎の手紙を差し出して見せた。
するとすけくんは、
すけ「なにこれ、机に入ってたの?変なの」
と言った。
「変なのって・・。君が書いたんでしょう?」
すけ「知らないよ、ぼく」
「じゃあノート見せてよ」
すけ「持ってきてない」
「じゃあここに自分の名前書いて!」
私は自分のノートに名前を書くよう言った。
すけくんが書いた字は・・・手紙の字と同じだった。
うねったような文字の書き方が一致していた。
「ほら・・・!やっぱり」
すけ「ぼくのこと気持ち悪いと思ってる?」
「当たり前でしょ・・・!こんなの脅迫文みたいじゃん!」
段々と口調が強まってゆく。
すけ「違う」
「何が違うのよ!」
すけ「違うんだ。これは、"ぼくが自由になるためにやった"んだよ。」
「またそれ・・!?その言葉、宮司さんからも言ってたって聞いたけど、一体どういう意味なの?」
すけ「そのままだよ」
そう言って、にっこり笑う。
「もう笑わないで・・怖いから」
すけ「怖くないよ。」
「・・・・・」
私達のこのやり取りを静かにみていた加藤さんたちは、前のいやな感じではなく、普通に戸惑ってコソコソ話していた。
気味の悪い朝のあと、一日目の期末テストを終えて、とぼとぼ家路につく。
すけくんの笑顔は怖い。何かを狙っているような目・・・。
これから私は、地獄を見ることになる。