私はすけくんを思いっきり睨んだ。
加藤「・・・ちょっと、大丈夫?ユカ」
「う・・・・・うん」
今は加藤さんだけが光だ。
加藤「すけも、雰囲気察して話しかけないとか出来ないわけ!?傷ついちゃったじゃない!」
すけ「・・・・・・。ごめんね」
すけくんはそう言った後にっこり笑って、自分の席に戻った。
「ああもう・・・!だから笑わないで・・・気持ち悪い・・・・!」
加藤「本当に大丈夫なの?体も震えてるし、顔色すっごく悪いよ。保健室行く?」
「大丈夫・・・。」
私は謎の意地で、保健室には行かなかった。きっと、これ以上負けたくなかったのだろう。
だが、大丈夫なんかじゃなかった。
次の道徳の授業中、なぜ勉強するのかについて話し合いの時間があった。その時すけくんが発表した。
すけ「ぼくは、名誉の為に勉強をすると思います。点数が取れなかったら、恥ずかしいし、じぶんの自信もなくなってしまいます。あ、これはぼくなりの見方なので、皆のことを言ってる訳じゃないです。・・・だからぼくは、勉強は自信をつけるものだと思います。」
・・・・・・・・・・・・・。
ブチッ。
何かが、切れた。
壊れた。
すけくん。私の心を、これ以上傷つける気か?
どうみても私に向かって言ってるだろ。
いったいなにがしたいの?
・・・私、何かした?
先生「辻元はそうなんだな。それもいいと思う。ほかに意見は?」
ドクン。ドクン。
心臓が激しく動いている。
体が冷たい。汗もでている。
「・・・・はあっ、はあっ・・・・」
前がクラクラする。あ・・・やばい・・!
今見ている光景から色が無くなり、白く染まってゆく。
先生が白く見える。
意識はあるのに・・・・視界が真っ白だ・・・。
先生「ん・・・?坂井大丈夫か」
「いえ・・・ちょっと、クラクラして」
加藤「・・・!ユカちゃん、やっぱり保健室いこうよ!」
私は加藤さんたちに抱き抱えられながら保健室へ行った。
保健室の先生「熱はないみたいね・・・ベッドで少し休みなさい」
「はい・・・」
一時間ほど寝て、加藤さんが迎えにきてくれた。
加藤「おはよう。ほんとに大丈夫?最近ユカちゃんおかしいよ・・・」
「うん、ありがとう・・」
加藤「無理しないでね・・行こう」
教室に戻り、帰りの挨拶をして家路につく。
加藤「ユカちゃん、大丈夫かなー?」
加藤の友達A「うーん・・・どうだろう」
友達B「っていうかさ、そもそもすけがキモくない?ユカちゃんに纏わりついてさぁ」
友達C「だねー・・・」
すけ「どうしたの?」
加藤達『わっ!?!』
すけ「?ぼくの話をしてたんだよね。」
加藤「まあ・・テスト満点凄いなって(バレた??すけって、変な空気感・・・確かに、気持ち悪い・・・。)」
すけ「ふぅーん。・・・・ぼくの悪口を言ってたくせに。」
加藤「っ!」
すけ「じゃあまた明日!」
すけはそう言って、パタパタと走って行った。
加藤(今の目、凄くぞわっとした・・・。何かを狙っているような・・?)
その晩のこと。
_____加藤さんたちは遺体で発見された。
-翌朝-
「加藤さんたちが亡くなった!??!」
母「ええ・・・。だから今日は学校は休みよ・・。亡くなるなんて信じられないわ・・・。」
「そんな・・・そんな・・・・うわあああああああああああああああああああっ!!!!!!」
お母さんは私を強く抱きしめた。
心はもうボロボロで、壊れてしまっている。
大切な友人をこんなに連続して失うとは。
私も・・・
加藤さんたちのところへいきたい・・・・。
加藤さんたちのお葬式ではクラスメートなど大勢の人々が集まった。
息を詰まらせて泣いている者も居れば、信じられないような表情で呆然と突っ立っている者もいる。
私は・・・・
感情が、何もわかなかった。
ずうっと、涙もでなくて、無表情で、人間じゃなくなったみたいだった。
人は壊れると悲しみも感じなくなるとは、恐らくこういう事だろう。
・・・そしてすけくんは、お葬式には来なかった。
____今日は、久しぶりに夢を見た。
すけ「やあっと、完成した!!やったぁぁぁぁ!!!!!!これでぼくの夢はかなったんだ!今日はパーティーだ!」
すけくんが何やら騒いで喜んでいる。
また、完成した、と言っている。
だから、何が・・・・・・・・
どりーむ、おふ、です が完成・・・
ドリーム オフ デス・・
Dream of death・・・『死の夢』だ。