人間関係は下手で
たまに変な失敗をしたりして
嫌になるこんな自分を助けてくれたのは・・・
____雨が降るある日。
こんな自分を痛めつけてやりたくて
雨の中に立っていた
このまま風邪でもひけばいいのにな・・・と自嘲的に笑っていた。
すると、ふと雨が当たらなくなった。
「誰・・・?」
???「大丈夫ですか?」
そう言ったのは、白い髪をした綺麗な男の子だった。
「大丈夫です・・・あなたが濡れるじゃないですか・・・私はいいから・・・!」
???「ううん、僕は大丈夫。」
男の子はそう言ったまま傘を差し出している。
なんでこんな私に・・・?
「私、あなたの事知らないんですけど・・・」
???「うん。大丈夫。僕も君のことは知らないけど・・・君は何か大きな悩み事抱えてるよね?近い未来、危ないよ。」
この人は何を言っているのだろう。
無言で見つめ合う。
「なんで・・・」
???「ぼくは予知ができるんだ。それで人を助けてる。君、死相が出てるよ」
死相?私は、死ぬ?
「・・そうですか。別に良いんですけどね」
そう言うと、男の子は目を見開いた。
???「そんな事言わないでよ。僕は君に死んで欲しくないよ。」
「私が死ぬかなんてあなたに関係ないじゃないですか」
???「知らない人でも死んで欲しくないよ。」
「・・・・・」
もうどうでもよくなってきた。
???「悩みがあるんでしょ?言いなよ。まあこんな所じゃ嫌だろうから、僕のアジトに来る?」
アジト・・・
アジトなんてあるのはヤクザとか不良だけではないだろうか。
この人はやっぱり変な人だ。
「すみません。私、行きます」
???「待って!!君に死んで欲しくない。君がどうでもよくても、僕はどうでもよくないから。お願いだから来て。」
・・・・。どうせ死相が出てるなら、どうなってもいいか。
「わかった。」
???「本当!?ありがとう!!!良かった~!じゃあ、ついて来て!あっ、名前を教えてなかったね。僕はカズ。よろしく。」
「・・はい。」
こうして私の人生は彼によって変わっていったのだ。
-アジト-
洞窟のようなゴツゴツとした建物に入ると、強い刺激臭がした。
カズ「新入りだよー!」
カズがそう言うと、ある少年は目を見開いて言った。
すけ「本当!?よろしく!名前なんて言うの!?」
「・・・アヤミです」
すけ「アヤミちゃん!かわいいね!!!」
「・・・・・」
髪の毛がピンク色の少年は、私に向かってキラキラとした目を向けている。
カズ「まあまあ、すけくん。怖がっちゃうじゃない。優しくしてね」
このアジトには私合わせて3人しかいないみたいだ。
だが、この臭いはなんだろう・・・?
カズ「なんか臭いんだけどー?すけくんなにしてんの?」
彼がそう言うと、すけくんはにこりと笑って言った。
すけ「うふふ。何の実験かわかる?アンモニアを発生させてるんだ~・・・!」
カズ「・・・・アンモニア」
すけ「アンモニアだよ。これに塩酸を入れて~・・・」
すけくんは楽しそうに実験を続ける。
色んなものをアンモニアに入れているのをみていると、カズはすけくんにこう言った。
カズ「・・それで殺すのか」
そう言うと、すけくんはにっこり笑って言った。殺す?
すけ「うん。劇薬だから大丈夫だよ。手につけてみる?」
すけくんはそう言ってカズの手を液体を混ぜた瓶に入れようとした。
カズ「!!僕は人間だぞ。君より痛覚がある。自分でやってくれ」
すけ「わかった。」
すけくんは自分の手を瓶に入れた。
ジュウウウウ~・・と音がする。
すけ「うん。これなら大丈夫だ。いてて・・・」
瓶から出した手は大火傷を負って酷い事になっていたが、すけくんは笑顔のままだ。
カズ「ほら・・痛いだろ。幽霊だからってすけは体を傷つけるのにも全く抵抗がないんだから・・早く手を洗って!」
すけ「うふふ。」
カズは救急箱を持ってきて洗ったすけくんの手を包帯で巻き始めた。
「・・・・」
私は全く2人のテンションについて行けなかった。
幽霊・・・・。
思ったよりヤバい人達みたいだ。
カズ「あ、ごめんねアヤミちゃん。いつもこんな感じだから・・・」
カズはそのまま台所に行き、コーヒーを持ってきた。
カズ「はい。コーヒー、飲める?」
「はい。ありがとうございます・・」
熱々のコーヒーを飲む。雨で冷えた身体が温まっていく。
カズ「・・ところで、君は何に悩んでるの?」
「・・・自分が嫌で」
カズ「そうか・・・それはなんで?」
「人間関係も下手だし、変な失敗したり・・・もう疲れました」
悩みを吐き出すと、心が軽くなった。
2人は、優しく話を聞いてくれた。