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野生の森ガール

あや

[あや]

キャラID
: BD162-617
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: バトルマスター
レベル
: 109

ライブカメラ画像

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あやの冒険日誌

2021-11-03 18:09:23.0 テーマ:その他

prologue #14(オリジナルストーリー)

私は今から燃え尽きる宇宙の塵。

身体に当たる強くて冷たい風が、ビュウビュウと吹く。

誰かの悲鳴のようだ。



目の前の崖を覗くと、激しく波打つ海が見えた。

今は夜で、周りには誰もいない。

カズ達が眠っている間にアジトを抜け出し、バスを乗り継いで海のあるここまで来たのだ。


恐ろしく音を立て波打つ海を見ていると、深い海に引きずり込まれそうになる。


まあ、このまま引きずり込まれる予定だ。


服は真っ白なワンピース。あえて夏用を選んできた。

・・・早く、宇宙から消えられるように。

 
表面上は真っ白な純白でも、中身は真っ黒な漆黒という、なんとも皮肉な意味を込めて着てきたのだ。

「さあ・・・そろそろ、この世界ともお別れか」


私は広い世界をこの目で名残惜しむように見渡した。 
連々と連なる山。そのずっと遠くに街明かりが見える。綺麗な夜景だ。


夜景を見て、今までの人生を振り返る。

思えば、辛いことしかなかったなぁ。

人もたくさん傷つけた。


誰かを救う事なんて・・・私には縁がなかったんだな。




深呼吸をして、最期に世界をできるだけ見渡せるように履いてきた厚底のハイヒールを脱ぐ。

少しでも、少しでも。

この目に焼き付ける。



すると、雨が突然降り出した。

最初はぽつぽつと降っていた雨は、あっという間に強くなった。




・・まるで、私がカズと出会った日みたいだ。


あの日、私の人生は変わったと思っていた。

前会社に入っていた時とは違って、凄く楽しい日々だった。

私が担当したのは私のお母さんの件だけだけど、それが私に大罪人という現実を突きつける出来事だった。

やっぱり、私はそういう運命なんだ。


不幸な目にしか合わない運命だったんだ・・・。


ふと、頬に生温かい感触を覚える。

手で触る。すると冷たい雨の感触と裏腹に、温かい涙が触れた。

「涙か・・・・ふっ」

泣いている自分を自嘲する。


全てが面白くなってきた。



「ふふふ・・・。」


ああ。なんだか、すけくんがよく笑う意味がわかった気がする。


すけくんも、ずっと昔に家族を殺されて、絶望して、何かに対する諦めがあって、諦めながらも殺した犯人を見つけ出し、復讐し続ける。

自分の事がどうでもよくなって、笑えてくる程疲れているんだ。全てに。
 





私は世界への諦めを感じながら、海へ一歩を踏み出した。








一瞬だけ、世界が輝いて見えた気がした。





       『さよなら、世界。』
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