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野生の森ガール

あや

[あや]

キャラID
: BD162-617
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: バトルマスター
レベル
: 109

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あやの冒険日誌

2021-11-14 16:15:29.0 2022-02-13 16:45:04.0テーマ:その他

prologue #19 最終回(オリジナルストーリー)

医者「無事、元気になったみたいですね」

「はい・・・ご迷惑おかけしました」

精神病院で、アヤミとカズ・・に加えてすけは医師からアヤミの鬱病が完治したことを知らされた。

医者「いえいえ!私は患者さんが元気になってくれればいいので。」

カズ「ありがとうございました・・・」

医者「でもですね、アヤミさんの劇的回復については、薬物投与より、何らかの影響を受けて回復したと考えられます。こんな回復の仕方をした患者さん、見たことないので・・・」

カズ「まあ、昨日、自殺をしようとしましたからね・・・」

カズが言うと、医師は言った。

医者「うんうん。やはり、あなた達のサポートが大きかったんだと思います。アヤミさんを、これからもサポートしてあげて下さいね」  

カズとすけは大きく頷いた。





カズ「さて、行こうか」

病院を出た3人は、車通りの少ない田舎道を歩いてゆく。

少し先にはビルが立ち並ぶ街が見えた。

今日、同じ精神病院の、閉鎖病棟にいるお母さんにも会った。

お母さんは私を見るなり
『帰れ!!!帰れ悪魔!!!』
と泣き叫んでいたけれど、私は諦めない。

今日あの状態だったので医師からお母さんには当分会えないと言われたけれど、きっと大丈夫。
 
なぜならお母さんは、誰よりも優しいから。

看護士さんによると普段のお母さんは、『私があの人ともっと上手くやれば良かった。もっと働けば良かった。そうしたら、アヤミを愛情いっぱい育てられたのに・・・』
などと話しているそうだからだ。

私が鬱病になったあの時は、私のせいで自分がおかしくなったと言っていたが、気持ちが落ち着くにつれて、自分が悪かったと言うようになったと聞いた。

本当は、お母さんは私の事を愛してくれているのだ。
これからも、お母さんの所へ通い続けよう。



カズ「アヤミ、乗り越えられたじゃん」

カズは思いふけっていたアヤミの方を向いて、笑顔で話しかけた。

「うん・・・よかった」

カズ「これで強くなれたね」

「そうだといいけどね(笑)」

すけは嬉しそうに話す2人を見ている。

すけ「・・・ねえ、カズ、アヤミちゃん」

カズ、アヤミ「?」

すけ「なんか僕、あの日から失っていたものを取り戻せた気がするんだ」

「なあに?」

すけ「それはね・・・」

すけくんは何故だか、懐かしいものを見るようにして、空を見上げている。

すけ「はっきりとはわからないけど、心のジグソーパズルの残りの1ピースが、やっと見つかって、はまった感じ」

「ふうん・・?」

それは、喜びかもしれない。楽しさかもしれない。
でもすけくんは、いつもと違って、何処かに行ってしまいそうな、穏やかな雰囲気を纏っていた。

すけ「カズとアヤミちゃんに出会わなかったら、僕はきっと、これからも復讐し続けていたと思う。でもね、アヤミちゃんがお母さんを許すのを見て、思ったんだ。人はどんなに罪を犯しても、根本的なものは変わらないと。」

カズ「まるで何かを悟った僧だな」

すけ「ふふ。」

すると、突然すけくんの体が透明になり始めた。

すけ「あれ・・・」

カズ「すけくん!?」

すけ「僕、もう消えちゃうみたい。ごめんね、2人とも」

すけは消えていく自分の手を見つめながら言う。

カズ「すけくん!!行くな!!!すけくんっ!!」

すけ「2人のお陰で楽しい思い出がたくさん出来たよ。もう僕は復讐を続けない。それに幽霊になってからもこの世に降りてきてた分、もう生まれ変わる事はない。意識も全部、消えちゃうんだ。」

「待って・・・すけくん・・・!いかないで・・!」
すけ「アヤミちゃん、これからも強く生きて。カズ、アヤミちゃんをよろしくね。」

カズ「行くなああああ!!!!」

すけ「2人なら大丈夫。沢山の人達を救っていける。応援してるよ。・・・ばいばい」

そう言って、すけくんは消えた。

静かな田舎道には、2人だけが取り残されていた。



カズ「・・・・すけ」

カズは呆然と地面を見つめる。

「今日から、2人だね・・・。」

カズ「・・うっ・・・うう」

カズは道にしゃがみ込んで泣く。

アヤミはカズに手を差し出した。

「大丈夫。すけくんも大丈夫って言ってた。だから・・私達は、大丈夫」
  
カズ「・・ふふ・・・。本当に、アヤミは強くなったな」

「ふふふっ。おいていっちゃうよ?すけくんのぶんまで、一生懸命生きようよ」

カズ「・・・そうだな」

カズはアヤミの手をとって立ち上がり、再び歩き出す。




2人の背中は、人生という果てしない道を、何処までも歩いて行く。


___ピンク色の髪が印象的な、心優しい仲間が待つところまで。
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