屋敷の自分の部屋にて、彼、神龍竜牙は…、深く深く悩み込んでいた…。それは、とある店での出来事。いつもの様に、喋り飲んでいた時だった、ある二人の少年達が騒動を起こしていた…。
竜牙は、席から動き止めようとはしなかった。何故止めようとしなかったのか…。彼は、とある事を考えていたからだった…。それは…。
「騒動の原因は、少年という事…」そう、今回の原因は少年であり、大人と子供では感情や考えも異なってくる、それに、少年の気持ちを分かり合える者は、果たして大人だろうか…?大人が止めようとしても子供だけにしかわからない事情、感情がある…。もう1人の少年に身を任せ、騒動を沈ませてくれると思い様子を伺っていた。
…しかし、カウンターの方から金髪の少女が、二人の子供の所まで近寄り、止めに入った。彼女に言うには「さっきからうるさいのよ…それに、大人が周りに居るのにも関わらず止めに入らないなんて考えられない」と、確かにそうだ、騒動の周りには何数人かの大人が居た。しかし、止めに止めたとして、その時は、収まるかもしれないが、再び同じ事が起きた時もう一度止められるのか?という事…。最初は、その少女の事を、悪く思った。水を差すなと…しかし、振り返ってみるとすれば、その少女も決して悪い事を言った訳ではない、目線を広めれば、店側や他の客側の迷惑にもなっているのにも関わらず止めに入らない大人、そう考えれば水を差すのも仕方ない事だと…。あれ以降から、彼は深く悩みに悩んでいた、それは、彼は神という立場である為、どちらが正義か悪か決めなければならなかった。
「お互い、悪い事を言っていないんだ…」そう小声で呟き、頭を深く抱え込んでいると、ある男の声が脳内に聞こえてくるのだった。
「自分の正義は、感じ方1つで他者の悪にも成り代わる、逆に他者の正義も、自分の感じ方1つだけで悪と感じてしまう時もまたある、それが正義という存在だ。俺は、それを白黒決めないといけない…それが神故の大いなる仕事の1つ…。お前もいずれかは、そうなる日が来る…その時、お前は感情1つでも揺るがず白黒決めれるか?」
父親が昔、正義について語ってくれた言葉だった。
すると、別の言葉が流れてくる。
「神というのは…必ずしも人々の善悪を、苦悩する程決めないといけない訳ではありません…。」
(これは…ゼウス様の言葉…。)そして、また違う言葉が流れてくる。
「人は感情を持つ者それを作った神もまた、感情を持つ者…1つの事で悩むのなら、別の事して忘れてしまいなさい…、それが最高率よ?」
(これは…アテナさんの言葉…か。)
「お互いに、善悪あるけど、でも決めれない事をわざわざ決めなければいけない事ではないか…それと、いつまで経っても小さい事で悩んでは駄目だな…!」
顔を上げ、窓に写る満天の星々が輝く夜空を見ながら、気を引き締め、新たな明日に向かって自分に言い聞かせるのであった…。