アスフェルド学園のとある部室にて。
身柄を互いに隠し通す、探偵のアンスと怪盗のラドロ。
そして、ラドロの祖父が机を囲んで、幻影教団の一員である幻影の魔術師(シャドウ・マジシャン)との闘いに向けて計画を企てていた。
「仮に怪盗シーフを囮にするって言ったって、どうすんだよ。集まる場所によっては騒ぎになるぜ?」
「あぁ、そうだね。場所は選ばないと。それと態々騎士団を配慮しなくても良い人材を宝刀を持ち帰った際に会ってね」
「ほぉ、アンス君。それは一体…?」
「伝説の剣客…焔刀気」
「ほ、焔刀気じゃと!?」
祖父は目を大きく見開いて驚愕する。
「じいちゃん、知ってるの!?」
「知ってるも何も、そのお方は昔、グランゼドーラ付近で起きた魔界戦争で活躍した伝説の魔物斬り。魔物斬りの殺戮者と謡われた最強の剣客なのじゃ」
「最強の剣客…」
「とはいえ、本人と出会ったわけじゃなくてね…」
◇◇◇◇◇◇
王都カミハルムイ城にて開催された刀剣展覧祭の帰りに曲がり角で、人ぶつかってしまう。
「す、すみません。お怪我ありませんか?」
「おっと、すまないね!そっちこそ怪我はなかったかい?」
「えぇ、大丈夫です」
「そうだ、ぶつかったお礼とはなんだし、飯でもおごってあげよう」
僕は遠慮しがちに断ったけれど、それでも彼女は半ば強制的に酒場へと連行されてしまった。
淡い月夜に照らされる赤い髪は、ルビーの如く煌びやかだった。
そんな彼女と共に酒場に向かえば、自己紹介がてら食事を行った。
彼女は、レティア・スカーレット。
オーガの女性でありながら、露出度の高い衣装に身に纏う彼女は豪快にエルトナ酒を嗜みながら会話を楽しんでいた。
「それで、師匠がさ~」
「師匠…?」
「あぁ、そうだ。とはいえ、アタシが勝手に師匠呼ばわりしてんだけど。アタシの師匠は伝説の剣客だったんだ。それで、アタシはそんな師匠の元で鍛錬しているのさ」
「そうなのですね。名はなんていうんですか?」
「焔刀気って言ってたかな。まぁもし何か困りごとがあったならアタシに声かけれくれよ!いつでも力になってあげるからさ!」
「また何かあれば、ご連絡させてください」
僕とレティアは深い握手を交わした。
◇◇◇◇◇◇
「というわけなのさ」
「つまり、そのレティアさんっていう女の人が、焔さんと繋がりを持っているというわけか」
「そうさ、それでレティアさん達に協力をしてもらうという粋な計らいだろ?」
「まぁ、そうだな」
ランスと珍しく意気投合し合っていると、突然祖父が口を開く。
「そのお方に会いにランスとラドロ、二人で向かうのじゃ」
一瞬間が開いたのち、二人口揃えて。
「「…は?はぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」」