今は昔――。
今から23年前、アストルティア大陸にとある大魔王が訪れました。
その名は、大魔王マデサゴーラ。
彼の訪れによって、忽ち中枢の大陸、レンダーシアが暗雲の渦に包まれ、
不運にも、その魔瘴の雲に侵される直前に辺境の地で赤子が誕生しました。
その赤子は、濃い魔瘴に侵され命を落とさんと村の民は計画立て、赤子を箱に入れ海に流しました。
赤子が入った小さな木箱は、荒れ狂う海を漂い、更なる難が訪れました。それは、激しく波打つ海流でした。
箱はされるがままに波にうたれ、再び魔瘴雲の中へと向かったのでした。
木箱は近くの浜辺に漂着すれば、近くに居た村の民が拾い上げ、その赤子を十となる歳まで育ててあげました。然し、彼らは彼女の纏う創造神ルティアナの子であると勘づくと共に、己の魔王によって創成された偽りの人間ではないと確信したのでした。
彼らは、彼女が寝ている間に再び木箱に入れ、偽りの大地から逃れるよう魔瘴の海へと放流したのでした。
濃い魔瘴には何が起きるのかわからない特殊な力があるのか、約十三年後のアストルティア大陸の海へと無事抜けることができたのでした。
それから、グランドタイタス号に拾われレンドアの大陸で、彼女は目を覚まし故郷の知らぬ彼女の旅は始まるのでした――。