【第3話 突きつけられた真実】
「アッシュ! アッシュ!・・・」
簡素だが屈強な作りのベッドから跳ね起きたシャレードは
額に汗を浮かべながら、やや荒い息で、視界の定まらぬ
部屋の中を眺めていた。
木造の小さな小屋? 家とでも言うものか?
座っているのは、確かにベッドで、その横に椅子も置いてある
ベッドの横の壁には、窓、向かいの壁には、木のドアらしきものが
存在する
「たしか・・惑星になんとか着陸して脱出ポッドから抜け出して
湖を泳いで岸までたどり着いたんだったっけ? その後、原住民らしき
2人組の男が現れ一言二言話したら山全体が光るような感じで、空も
オーロラっぽいモノがゆらいでいて・・それで・・・あたしは・・・
光の中に多い包み込まれたんだわ で、気を失って・・・」
その時、シャレードは、お尻の辺りに、何か異物を感じていた。
「ん? さっきから、なんかお尻から出っ張ってるような・・・・
からだをねじって背中越しに見えたそれは・・・
「しししししし、尻尾~~~~~ って、よく見たら、肩と頭には、これ、
角~~~~ え~~アタシの体、どうなっちゃったんだぁ?????」
「よ・・よく見れば、服も何、パイロットスーツじゃなくて、なによこれ
原始人間ギャートルズのお母さんが着てるような毛皮の服じゃ無い!!」
あ・・アナライザーは? スタンガン、グレネードは・・無い・・無い・・
何も無いじゃん!」自分のまわりを一通り探してみて毛皮以外ショーツ代わりっぽい
インナーだけの自分に中半脱力感を感じて、ペタンとベッドの上に
女の子座りをしたとき、どこからともなく、声が聞こえてきた。。。。
『オーガの娘、シャレードよ 驚くのも無理は無い。私は、アストルティアを
見守る神々の一人、異邦人であるシャレードの魂は、時空の波に耐えられず、
天に召されたのだ。 志し中半の無念をすくうため、同じように志し中半で
無くなったオーガの娘におまえの魂を植え付けたのだ。 こうして、肉体は
オーガの娘、心は、異邦人のままのシャレードが蘇ったという訳だ。』
「う~~よくわかんないけど・・あたしの死んだときの魂をこの子に移植したって
こと? 魔術みたい。 一応、生き返らせてもらって感謝するけどぉ・・・[スゥー
と、息を吸い込むと・・・・・]
人の都合も考えないで勝手にこんな体にしやがって!!誰がこんな体にしてくれ
って頼んだよぉ!! 神さまだか女神だかトイレットペーパーかしらないけどさぁ
勝手なことすんなぁ~~~~~~!!」
『(▼▼メ)ナンダトォ!ゴゥラァァァ!人が親切に蘇らせてあげたのにずいぶんだね
おまえさん!』
「本性表したわね クソババァ 出てらっしゃいよ!」
『( ゚д゚)ンマッ! ( ゚д゚)ンマッ! なななななな なんて事言うんだいこの子は
元のボロボロ体に戻りたいってんなら返して上げるよ足も手も片方ずつになっちまって
顔を見られた顔じゃ無いあんたの元の体にねぇ』
「)))))))))))( ̄ー ̄;)/ギク!あ、いや・・そのぅ 急な展開でこっちも動揺してたからへへへ テヘペロ。
も、もう少し冷製になって考えてみるから、今は、ちょっとまって~」
『キャラを変えるな~~~ ヤレヤレ ┐(´-`)┌ マイッタネ♪ まあいいでしょう
あなたにもそのうち、自分の運命が分かるときがくるでしょうからね』
それきり心の中の声は、消えてしまった。
「部屋の中で大きな声がしたのよ、きっと、あの人が、気がついたんだわ」
「俺が様子を見てこよう おまえは、ここで待ってろ」
頭の中の神さま?との会話を終えた頃、木のドアが開いて、一人の男が入ってきた。
「は~い 気がついたかい? 仔猫ちゃん?
「はぁ?」『また、訳の分かんないチャラ男っぽいのが出てきたぞ??』
「俺の名は、たか! 人は俺を早撃ちのたかって呼んでるぜ よろしくな仔猫ちゃん」
「はあ・・・」『でもまあ、なかなかのイケメンじゃん まんざら悪い世界でも
なさそうだわ』
「どれどれ、もう心配ないぜ、俺が優しく癒やしてやるよ」
そう言いながら、たかと名乗る男は、ベッドに腰掛けるや、顔を近づけてきた。
「ちょっちょっちょ なになになに」
『いくらなんでも急展開 こっちも心の準備ってものが』
と、ドアからもう一人。 今度は髪の長いすらりとした美人が入ってきた。
「たか~~ 何をやってるかぁぁぁぁぁ」
そう言いながら、たかの頭をハリセンでスパ~ンと引っぱたく。
「痛ってぇ~~ おいおい、待ってろって言ったのに・・
はははは、紹介しよう、こいつは、マイハニー、マイユだ」
『ちっ 彼女持ちか つまらん』
「こ・・こんにちは~」
【オーガに生まれ変わったシャレードの運命やいかに! 次回を待て!!】