【第5話 グレン城下町】
【前回までのお話】
乗っていた高速戦闘宇宙艇が、爆発し手近の惑星に脱出カプセルで
着陸したシャレードは、命を落とすが、アストルティアの神によって
オーガとして生まれ変わる。オーガの故郷と呼ばれるランガーオ村で、
傷の手当てを終えたシャレードは、状況把握と自分の運命を見定めるべく
グレン城下町へと急ぐのであった。
-------------------------------------------------------------
たどりついたグレン城下町は・・・戦場だった・・・
「わぁぁぁ」 「きゃああぁぁぁぁ」 「みんな、早く建物の影に!」
「住民の皆さんは、すみやかに待避してください!」
「グレン城防衛隊緊急出動~~~!」
「た・・隊長! 敵は空から攻撃してきます! 我々のような
地上戦闘員では迎撃出来ません!」
「くぅ・・・たとえ魔法使いであってもメラゾーマだって、あそこまでは
届かないぞ くそぉ せめて空を飛ぶ乗り物でもあれば・・・」
「うわぁぁ きたぞぉ~ スターデストロイヤーだ!!」
人々の怒号が入り交じる町中を抜け、グレン城に入ったシャレードは
ランガーオ村のクリフゲーンにもらった紹介状を見せてバグド王に
面会した。
「バグド王! 敵の猛攻撃を受けています! 防ぎきれません!」
「ヴェリナードの魔法戦士団への応援要請は? 彼らのフォースが
必要だ!」
「あの~~」
「国内が混乱して伝令がことごとく連絡を絶っています!」
「ガタラのウルベア魔神兵はどうだ?」
「調整が上手く行ってないようで起動に時間がかかるそうです」
「くそっ! せめてフルッカの奴が破邪舟を作り出せればな・・・」
「あの~~」
「ん? おまえは誰だ? ん? クリフゲーンの紹介状か
なるほど 腕の立つ冒険者のようだだな」
「王、この者に例の計画を託してみたらいかがでしょう?」
「うん? まさか! あれが本当に可能だとでも言うのか?」
「可能か否かは誰も予想が出来ませんが、今は、計画を実行
出来る人手が足りませぬゆえ、このような、外部からの冒険者
にやらせるのが妥当かと」
「ふむ。 たとえ失敗して死んでも我々が失うモノはないか」
『なんか、えらい言われようなんですけど><』
「そなた、訪ねてきてもらった早々で申し訳ないのだが、この
通り、今、我が国では侵略者の襲撃を受けている。しかしながら
それを防衛する手立てがほとんど無い状態なのだ。 唯一、希望が
あるとすれば、過去に行き、我が国から失われた空軍を復活させること
なのだが・・・この仕事、引き受けてもらえぬか? もちろん
成功した暁には、褒美をとらせる。」
「あの~~ 過去って言われてもタイムマシンとか転送装置とか
この世界にあるんですか?」
「ん?なんじゃそれは? 聞いたことが無いな」
「じゃあ、どうやって過去に行くんです?」
「案ずることは無い。大陸間横断鉄道の運転手にこの「夢見のしずく」を
飲ませれば」
「王、それは、ドレアム行きの奴です」
「おう、そうであった。 こっちだな この「七色のしずく」を
飲ませれば、列車は、過去へと旅立つはずだ」
「( -_-)・・・・」
「なんじゃ、その疑いの目は」
「(;¬д¬) アヤシイ」
「私はグレンの王 バグドだ! いい加減な事は言わん!とにかく、
過去に行って、我が国の空軍がなぜ失われたのか探り、復活させて
くれ 頼む。」
「じゃまあ、行ってはみますけど~」
「おおおぉ 引き受けてくれるか! では、このしずくを渡そう。
頼んだぞ!冒険者・・そういえば名をなんと申す? シャレードか
安物の国産車みたいだな」
「ほっとけ! じゃあ、上手く行くか分からないけど行ってきます」
【こうして、うやむやバタバタの中、シャレードは、過去へと
旅立つのだった。 急展開の次回を待て】