「ポンコツ3号! このガラクタの山を整理しろと言ってから
もう4日ですよ! いつになったらやるんですか! もう、
そのだらけぶり、私は気に入ってますけどね」
今日も今日とてガラクタ城は大賑わいだ。
ガラクタの山を片付けるのが遅々として進まない理由の
一つは、シャレードが、ビャン少年を連れてウルベア
地下遺跡に何度も足を運んでいる事もあった。
古代文明のガラクタの中に何か有用な物が混じって
いないかという淡い期待からの行動だった。
「へぇ~ これが魔神兵の残骸なのね?」
「そうじゃ、世はこの中でコールドスイープしておったのじゃ」
「冷凍睡眠技術かぁ 古代文明恐るべしね」
「リウも一緒に眠ったはずなのに、どこにもおらなんだ」
「逃げ損ねて、殺されてしまったんじゃ・・・あ・・ごめん」
「いや・・その可能性は、世も考えた。 しかし、信じる事は
出来ぬのじゃ」
「そりゃそうよね。 諦めないでこのガラクタの中を探して
みましょう。 何か書き残した手紙とか通信文があるかも
しれないし」
「そうじゃの、世もたまに一人で来てはそういった物が
無いか探しておったのだが、シャレード、お主が来て、
こうして2人で探す方が早く見つかりそうな気がするぞ」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「キュンキュン・・・ピピピッ・・・・シャ・・レード?
シャレード殿か?」
「へっ? 今、何か言った?」
「いや・・・世は何も言っとらんぞ?」
「確か、このがれきの中の方から聞こえた気がする・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「シャレード殿・・・」
「この辺だ! ここの石をどけて・・・あっ!!」
「なんじゃこれは、丸い機械じゃな ランプが弱いが点滅しておる
動いておるぞ!」
2人は、がれきの中から、丸い物体を引きだして床に置いた。
すると、その物体は、ふわりと浮き上がり、身体の上半分をクルクルと
回したかと思うと、目と思われる部分をシャレードの方に向けて・・・
「よう・・やく・・・会えましたね・・・シャレード殿・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
「ア・・・・・・アッシュ? アッシュなの?」
「アッシュとは、なんじゃ?」
「私が乗ってた宇宙船の統括コンピュータよ。 爆発したときに
私だけを脱出カプセルに乗せて、その後、宇宙船は、粉々に・・」
「世とリウのような出来事が、お主にもあったのだな、して、この物体が
その、コンなんとかという物なのか?」
「いえ・・こんな面白おかしい形では無かったけれど・・・でも、この声、
物言いは、アッシュだわ」
「面白おかしいとは失礼千万ですな、シャレード殿! バラバラに
飛び散った私をコンパクトに、そして、各種センサー、
浮遊機能を付けてくださった方に失礼ですぞ!」
「どこの誰がそんなことを?」
「リウさんという、老人の技術者の方ですよ。 素晴らしい技術を
持っている方でした」
「なんと!!! おまえは、リウに会ったのか!! いつ!!
どこでじゃ!!今、どこにおるのじゃ!!」
「あうあう そんなに揺らさないでください。ただでさえ、
バッテリーが少なくて目眩がするというのに・・・」
「ああ、すまぬ・・・シャレード、これを城へ持って帰って
メンテナンスするぞ!」
「そ・・そうね 急いで帰りましょう」
宇宙船爆発時に生き別れになった船体統括コンピュータ、アッシュとの
感動の再会! 物語は、クライマックスへ
つづく