ついにラストストーリ はじまりです。
「で、アッシュ、集めなければならない部材って?」
「はい、神秘の鋼線 人魚の涙 メタルのカケラ 烈風石
大地の羽毛をそれぞれ1個ずつですな」
「え~~だるいのばっかり・・・」
「相変わらずの怠け者ですね、シャレード殿」
「んなこといってもさぁ・・・」
「まあまあ、私も手伝うから頑張るのじゃ、私もリウにまた会いたい」
「あ・・・皇子・・大変言いにくいのですが・・・時間跳躍には色々
制限がありまして・・・私とシャレード殿は、波長同期が施されているので
大丈夫なのですが、あなたは・・・」
「なん・・・だと・・・世は過去には行けないのか・・・・そうなのか・・・」
「・・・・・・・申し訳ありません・・・皇子・・・」
「よい・・・そちのせいではない・・・ちょっと散歩してくるぞ・・・」
「・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」
「なんとか・・・出来ないのよね・・・」「はい・・・・」
「部材・・・集めてくるわ・・・」
それから3ヶ月。 ようやく部材も集まり、アッシュの指示で転送装置を
完成させることに成功した。
「完成・・・かな?」「そうですな・・・」
「何をそんなに悲壮感を漂わせておるのじゃ?」
「い・・いえ なんでもないわよ!」
「さ、完成したなら、さっさと行くのじゃ! 達者でな! リウに私は
元気でやっていると伝えてくれ きっとじゃぞ!」
「わかったわ! じゃあ、行ってくる! 待っててね!」
こうして、シャレードとアッシュは、過去のウルベア帝国採掘場へ旅立つのだった。
・
・
「ペッ! ペッ! なによこれ~ 砂だらけじゃないのぉ」
「座標設定がずれたようですなぁ シャレード殿 えへへ」
「えへへじゃな~い このポンコツ~~」
「あの窪地の中にリウ老師が隠れ住んでいますので、歩兵に
見つからぬよう、行くとしましょう」
「歩兵に見つからぬようって? ここなんなの?」
「強制捕虜収容所ですよ シャレード殿」
「ききき・・聞いて無いんだけど、そんなの!」
「聞かれなかったので、お答えしてませんよ?」
「・・ああぁ、もういいわ、いきましょう」
・
・
「ここです、シャレード殿」 「こんにちは~」
「むっ 609号戻ったのか?そのオーガは誰じゃ?」
「リウ殿 こちらは、わが主、シャレード殿です」
「おまえは、異世界から来たはずじゃろうに、なにゆえ
オーガを主と?」
「これには、色々ありまして・・かくかくしかじかでございます・・・」
「なるほどのぉ」
「それと、飛翔した先で、ビャン・ダオ様という方にお会いして
メッセージを預かって参りました。 再生します・・・・」
「なんと!! 皇子は生きてらしたか! 見せてくれ」
リウ老師は、皇子からのメッセージをじっくりと見ると
「・・・・立派なお姿に・・うむ・・・良かった・・良かった・・・」
そう言って、しばし、目頭を指で押さえ、俯いた後、2人に向き合うと
「ところで、609号、そちの主を連れてきたのは、何か用が
あったのであろう?」
シャレードは、リウ老師に今現在、アストルティアが直面している危機を
話、戦闘機が必要な事を力説した。
「なるほどな・・事情は、あいわかった。 皇子のこともあるし、協力は
惜しまないぞ。そちらの時代でダラス採掘場と言われている場所に
戦闘機2編隊分を埋めておくようにしよう。そちらの時代に戻ったら
掘り起こすが良い。 使用説明書も入れておくからの」
こうして、戦闘機を無事確保できたシャレードとアッシュは、元の時代へと
帰還したのだった。
次回、最終話です。
つづく