▼ 高次方程式を解く上で必要な知識 ▼
①因数分解(高1)
②分数式(高2)
③複素数(高2)
④剰余の定理(高2)
小学3年生の算数において,
割り算で余りを求めていた時期があった。
しかし,小学4年生の算数においては
割り算で余りを求めるような計算はせず,
割り切れるものなら小数を使ってしまおうということを
習った。では,なぜ割り算で市市
余りを求めるようなことを習ったのだろうか。
それは,数学Ⅱ(高2)において
剰余の定理を学習する上で必要な知識であるからだ。
高次方程式は,因数分解をすれば解けてしまう。
数学Ⅰ(高1)において,展開・因数分解の公式を
習ってきたが,公式だけでは因数分解できない
高次式もあるため,因数定理も学ぶ必要がある。
▼ 因数定理 ▼
多項式P(x)について,P(a)=0ならば
P(x)はx−aで割り切れる。( P(x)はx−aを因数にもつ。)
この定理を因数定理という。
Pr) P(x)÷(x-a)=Q(x)+Rとすると,
P(x)=(x-a)Q(x)+Rとなり,
P(a)=R が成り立つ。(これが剰余の定理)
P(a)=0 ⇒ R=0 //
▼ 高次方程式 ▼
3次以上の方程式を高次方程式という。
高次方程式は基本的に因数分解をして解く。
因数分解公式(高1のおさらい)
① a^3+b^3=(a+b)(a^2-ab+b^2)
② a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)
③ a^3+3a^2b+3ab^2+b^3=(a+b)^3
④ a^3-3a^2b+3ab^2-b^3=(a-b)^3
▼ 高次方程式の問題 ▼
次の方程式を解け。
(1) x^3+64=0
(2) 27x^3-8=0
(3) 3x^4-11x^2-4=0
(4) (x^2+2x)(x^2+2x+4)-12=0
(5) 6x^3-19x^2+11x+6=0
(6) 3x^3-43x^2+23x-3=0
▼ 解答 ▼
(1)
x^3+64=0
(x+4)(x^2-4x+16)=0
x=-4 , 2±2√3i
(2)
27x^3-8=0
(3x-2)(9x^2+6x+4)=0
x=-2/3 , -1±√3i/3
(3)
3x^4-11x^2-4=0
x^2をAとおくと,
3A^2-11A-4=0
(3A+1)(A-4)=0
Aをx^2に戻して,
(3x^2+1)(x+2)(x-2)=0
x=√3i/3 , ±2
(4)
(x^2+2x)(x^2+2x+4)-12=0
x^2+2xをAとおくと,
A^2+4a-12=0
(A+6)(A-2)=0
ここでAをx^2+2xに戻して,
(x^2+2x+6)(x^2+2x-2)=0
x=-1±√5i , -1±√3
(5)
6x^3-19x^2+11x+6=0
f(x)=6x^3-19x^2+11x+6とおくと,
f(2)=0であるから,f(x)はx-2で割り切れる。
f(x)÷(x-2)=6x^2-7x-3
f(x)=(x-2)(6x^2-7x-3)=(x-2)(3x+1)(2x-3)=0
x=-1/3 , 3/2 , 2
(6)
3x^3-43x^2+23x-3=0
f(x)=3x^3-43x^2+23x-3とおくと,
f(1/3)=0であるから,f(x)は3x-1で割り切れる。
f(x)÷(3x-1)=x^2-14x+3
f(x)=(3x-1)(x^2-14x+3)=0
x= 1/3 , 7±√46
計算が非常に面倒くさい・・・