▼ 三角比(sin , cos , tan)の定義 ▼
【 直角三角形ABCにおいて,∠ACB=90° , ∠ABC=θ(0°<θ<90°) ,
AB=r , BC=x , AC=yのとき,
sinθ=y/r , cosθ=x/r , tanθ=y/xと定義する。
sinθ= y/rの両辺にrをかけるとy=rsinθ ,
cosθの両辺にrをかけるとx=rcosθ ,
tanθの両辺にxをかけるとy=xtanθとなる。 】
「sine」は「サイン」,「cosine」は「コサイン」,
「tangent」は「タンジェント」と読むが,
「sine」は「sin」 , 「cosine」は「cos」,「tangent」は「tan」と略して書く。
また,「θ」は「シータ」と読む。
ゆえに,「sinθ」は「サインシータ」,
「cosθ」は「コサインシータ」,
「tanθ」は「タンジェントシータ」と読む。
▼ 直角三角形の辺の長さの比(必ず暗記すること) ▼
【 45°,45°,90°の三角形(直角二等辺三角形)の
辺の長さの比は1:1:√2
30°,60°,90°の三角形の辺の長さの比は1:2:√3 】
▼ 30°,45°,60°の三角比(暗記推奨) ▼
【 sin30°=1/2 , sin45°=1/√2 , sin60°=√3/2
cos30°=√3/2 , cos45°=1/√2 , cos60°=1/2
tan30°=1/√3 , tan45°=1 , tan60°=√3
※三角比において,分母は有利化してもしなくても良い。 】
▼ 三角比の相互関係(0°<θ<90°) ▼
sinθ・sinθ=sin^2θと表す。(sinθ)^2とは書かない。
(カッコをつけるのが面倒なため)
同様に,cosθ・cosθ=cos^2θ ,
tanθ・tanθ=tan^2θと表す。
上記の△ABCにおいて,
sin^2θ+cos^2θ=(y/r)^2+(x/r)^2
=(y^2/r^2)+(x^2/r^2)=(y^2+x^2)/(r^2)
ピタゴラスの定理より,x^2+y^2=r^2
r>0 , すなわちr≠0より,(y^2+x^2)/(r^2)=1
よって,sin^2θ+cos^2θ=1
sinθ/cosθ=(y/r)/(x/r)=(y/r)÷(x/r)=(y/r)・(r/x)=y/x=tanθ
1+tan^2θ=1+(sinθ/cosθ)^2=1+(sin^2θ/cos^2θ)
=(cos^2θ/cos^2θ)+(sin^2θ/cos^2θ)
=(cos^2θ+sin^2θ)/cos^2θ
=1/cos^2θ
よって,以下のことがいえる。
【 0°<θ<90°のとき,
① sin^2θ+cos^2θ=1
② tanθ=sinθ/cosθ
③ 1+tan^2θ=1/cos^2θ 】
▼ 90°-θ(0°<θ<90°)の三角比 ▼
上記の△ABCにおいて,sinθ=y/r , sin(90°-θ)=x/r ,
cosθ=x/r , cos(90°-θ)=y/r , tanθ=y/x , tan(90°-θ)=x/y
となるから,以下のことがいえる。
【 ① sin(90°-θ)=cosθ
② cos(90°-θ)=sinθ
③ tan(90°-θ)=1/tanθ 】
▼ 三角比の拡張 ▼
θを0°≦θ≦180°まで拡張した三角比について考えてみよう。
座標平面上に原点Oを円の中心とする半径rの半円の円を書く。
さらに,原点Oと円周上の1点を通り,
斜辺=rとなるような直角三角形を書く。
このときの底辺をx , 高さをyとし,以下のことを定義する。
【 0°≦θ≦90°のとき,
① sinθ=y/r
② cosθ=x/r
③ tanθ=y/x
90°<θ≦180°のとき,
④ sinθ=y/r
⑤ cosθ=(-x)/r= -(x/r)
⑥ tanθ=y/(-x)= -(y/x) 】
「数学Ⅰ パート18」へ続きます。(この続きから説明します)