【 多角形において,頂点は大文字のアルファベットで表し,
頂点に対する対辺はその頂点のアルファベットを小文字で表す。 】
▼ 正弦定理 ▼
△ABCは円に内接しているとする。
また,この△ABCの外接円の半径はRとする。
i ) 0°<A<90°のとき
円周角の定理を利用するとsinA=a/2Rと求まるので,
a/sinA=a/{a/(2R)}=a÷{a/(2R)}=a・{(2R)/a}=2R
ii ) A=90°のとき
a/sinA=a/sin90°=a/1=a=2R
(※A=90°⇔aが外接円の直径,すなわち2Rと等しい)
iii ) 90°<A<180°のとき
a/sin(180°-A)=a/sinAであるから,
a/sinA=a/{a/(2R)}=a÷{a/(2R)}=a・{(2R)/a}=2R
文字を置き換えると,b/sinB=2R , c/sinC=2Rも成り立つと分かる。
よって,以下のことがいえる。
【 △ABCの外接円の半径をRとすると,
a/sinA=b/sinB=c/sinC=2Rが成り立つ。 】
▼ 余弦定理(第2余弦定理) ▼
i ) 0°<A<90°のとき
頂点Cから垂線を引き,対辺との交点をHとすると,
BH=c-AH=c-bcosA , CH=bsinA
ピタゴラスの定理より,
a^2=CH^2+BH^2=(bsinA)^2+(c-bcosA)^2
=(b^2)sin^2A+c^2-2bccosA+(b^2)cos^2A
=(b^2)(sin^2A+cos^2A)+c^2-2bcsoA
=b^2+c^2-2bccosA
ii ) A=90°のとき
b^2+c^2-2bccosA=b^2+c^2-2bccos90°=b^2+c^2=a
iii ) 90°<A<180°のとき
頂点Cから垂線を引き,対辺の延長上との交点をHとすると,
CH=bsin(180°-A)=bsinA , BH=AB+AH=c+bcos(180°-A)=c-bcosA
ピタゴラスの定理より,
a^2=CH^2+BH^2=(bsinA)^2+(c-bcosA)^2
=(b^2)sin^2A+c^2-2bccosA+(b^2)cos^2A
=(b^2)(sin^2A+cos^2A)+c^2-2bccosA
=b^2+c^2-2bccosA
文字を置き換えると,b^2=c^2+a^2-2cacosB ,
c^2=a^2+b^2-2abcosCも成り立つと分かる。
よって,以下のことがいえる。
【 △ABCにおいて,a^2=b^2+c^2-2bccosA ,
b^2=c^2+a^2-2cacosB , c^2=a^2+b^2-2abcosCが成り立つ。
また,これらの式を変形すると,
cosA=(b^2+c^2-a^2)/(2bc) , cosB=(c^2+a^2-b^2)/(2ca) ,
cosC=(a^2+b^2-c^2)/(2ab)が成り立つ。 】
(※第1余弦定理とは,a=ccosB+bcosC , b=ccosA+acosC ,
c=bcosA+acosBのことをいう。これは証明するまでもない。)
▼ 三角形の面積 ▼
△ABCの面積をSとすると,
S=(1/2)・c・bsinA=(1/2)bcsinA
S=(1/2)・c・asinB=(1/2)casinB
S=(1/2)・a・bsinC=(1/2)absinC
よって,以下のことがいえる。
【 △ABCの面積をSとすると,
S=(1/2)bcsinA=(1/2)casinB=(1/2)absinCが成り立つ。 】
ヘロンの公式を証明するにはかなりの文字数が必要であるため,
パート21で説明します。パート20はこれで終了とします。