▼ ヘロンの公式 ▼
△ABCにおいて,cosA=(b^2+c^2-a^2)/(2bc)であるから,
sin^2A=1-cos^2A=(1+cosA)(1-cosA)
=[1+{(b^2+c^2-a^2)/(2bc)}][1-{(b^2+c^2-a^2)/(2bc)}]
={(b^2+c^2-a^2+2bc)/(2bc)}{(-b^2-c^2+a^2+2bc)/(2bc)}
=[{(b+c)^2-a^2}/(2bc)][{a^2-(b-c)^2}/(2bc)]
=[{(b+c+a)(b+c-a)}/(2a)][{(a+b-c)(a-b+c)}/(2bc)]
={(a+b+c)(-a+b+c)(a+b-c)(a-b+c)}/{4(b^2)c^2}
ここでa+b+c=2sとすると,-a+b+c=a+b+c-2a=2s-2a=2(s-a) ,
a+b-c=a+b+c-2c=2s-2c=2(s-c) , a-b+c=a+b+c-2b=2s-2b=2(s-b)
となるから,
{(a+b+c)(-a+b+c)(a+b-c)(a-b+c)}/{4(b^2)c^2}
={2s・2(s-a)・2(s-b)・2(s-c)}/{4(b^2)c^2}
={16s(s-a)(s-b)(s-c)}/{4(b^2)c^2}
={4s(s-a)(s-b)(s-c)}/{(b^2)c^2}
sinA>0より,
sinA=√[{4s(s-a)(s-b)(s-c)}/{(b^2)c^2}]
=[2√{s(s-a)(s-b)(s-c)}]/(bc)
△ABCの面積をSとすると,
S=(1/2)bcsinAである。この式の右辺に
sinA=[2√{s(s-a)(s-b)(s-c)}]/(bc)を代入すると,
S=√{s(s-a)(s-b)(s-c)}が導かれる。
よって,以下のことがいえる。
【 △ABCの面積をSとすると,
S=√{s(s-a)(s-b)(s-c)}が成り立つ。
ただし,s=(a+b+c)/2である。 】
例題18: 半径rの円に内接する正n角形の面積及び
外接する正n角形の面積を,それぞれrとnを用いて表せ。
半径rの円に内接する正n角形の面積をSとすると,
S=(1/2)・r・rsin(360°/n)・n={(1/2)nr^2}sin(360°/n)
半径rの円に外接する正n角形の面積をS'とすると,
S'=(1/2)・r・2rtan(180°/n)・n=(nr^2)tan(180°/n)
※数学Ⅱで微分を扱うので,現高1以下の学生は
この3行下の文章の内容を理解できなくても良い。
微分についての知識がある人が閲覧していることを想定して,
誤解を招かないために一言補足を加える。
S'はSと区別するために用いたのであって,Sを微分した値ではない。
以上。
入力文字数が上限を超えてしまうため,
練習問題18及びその解答はパート22に載せます。
パート21はこれで終了とします。