▼ 順列について ▼
異なるn個のものから異なるr個のものを
選んで1列に並べる配列を「順列」という。(但し,n≧r>0 , n∈N , r∈N)
「N」は「自然数の集合」を意味し,「∈」は「属する」という意味である。
したがって,「n∈N」とは,
「nは自然数の集合に属する(nは自然数である)」という意味になる。
順列の総数はn(n-1)(n-2)...(n-r+1)通り存在し,
n(n-1)(n-2)...(n-r+1)をnPrで表す。
【 nPr=n(n-1)(n-2)...(n-r+1)(但し,n≧r>0 , n∈N , r∈N) 】
※ 1個のものから1個を選んで1列に並べる方法は
1通りであるから,1P1=1である。
また,異なるn個のものから0個を選んで1列に並べる方法は
並べないという1通りの方法があるから,nP0=1である。
例題2: 6枚のカードから3枚を取って1列に並べる方法は何通りあるか。
6P3=6・5・4=120
よって,120通り。
▼ !(階乗)について ▼
nPn,すなわち1から自然数nまでの自然数の積をn!で表し,
「nの階乗(かいじょう)」と読む。
【 n!=n(n-1)(n-2) ... 3・2・1 (但し,n≧2 , n∈N) 】
例えば,4!=4・3・2・1=24となる。
※ n!=nPnであるから,1!=1P1=1である。
また,(n-1) !=n!/nであり,
nに1を代入すると0!=1!/1=1となる。
例題3: 6人全員を1列に並べる方法は何通りあるか。
6!=6・5・4・3・2・1=720
よって,720通り。
▼ 組み合わせについて ▼
異なるn個のものから異なるr個のものを選ぶ選び方を
「組み合わせ」という。(但し,n≧r>0 , n∈N , r∈N)
順序は考慮しないので,組み合わせの総数は
nPr/r!通り存在し,nPr/r!をnCrで表す。
nPr/r!の分母と分子にそれぞれ(n-r)!をかけると,
{ nPr・(n-r) ! }/{ r!(n-r) ! }=n!/{ r!(n-r) ! } となる。
【 nCr=nPr/r! , nCr=n!/{ r!(n-r) ! } (但し,n≧r>0 , n∈N , r∈N) 】
※ 異なるn個のものから0個を選ぶ方法は選ばないという
1通りの方法があるから,nC0=1である。
例題4 10人の生徒から1人の委員長を選ぶ方法は何通りあるか。
10C4=(10・9・8・7)/(4・3・2・1)=210
よって,210通り。
例題5 n≧r>0 , n∈N , r∈Nのとき,nCr=nC(n-r)を証明せよ。
nCn-r=n!/[(n-r) !{ n-(n-r) } !]=n!/{ (n-r) !r! }=nCr
練習問題: 次の問いに答えよ。
(1) 1000P2の値を求めよ。
(2) 7人の人から3人を選んで1列に並ばせる方法は何通りあるか。
(3) 方程式 6C4=6 !/(4 !x !)を解け。
(4) 100C98の値を求めよ。
(5) 8種類のメニューの中から3種類のメニューを選ぶ方法は何通りあるか。
(6) 方程式 nC2=36を解け。
練習問題: 解答
(1) 1000P2の値を求めよ。
1000P2=1000・999=999000
(2) 7人の人から3人を選んで1列に並ばせる方法は何通りあるか。
7P3=7・6・5=210 よって,210通り。
(3) 方程式 6C4=6 !/(4 !x !)を解け。
x !=(6-4) ! よって,x=2
(4) 100C98の値を求めよ。
100C98=100C2=(100・99)/(2・1)=9900/2=4950
(5) 8種類のメニューの中から3種類のメニューを選ぶ方法は何通りあるか。
8C3=(8・7・6)/(3・2・1)=8・7=56 よって,56通り。
(6) 方程式 nC2=36を解け。
nC2={n(n-1)}/2=36
n(n-1)=n^2-n=72
n^2-n-72=(n+8)(n-9)=0
n≧2より,n=9
次回から数学Ⅱに入ります。
「数学Ⅱ パート1」では二項定理について教えます。
「数学Ⅱを学ぶための準備 パート2」に関して,
何か質問などあれば気軽におききください。